メダカがどんどん弱って死に、私はかなり消耗していた。
あんなに元気だったのに、不思議でしょうがない。
私を癒してくれていたメダカは今、私の心臓をギュッと締め付けている。
死んだメダカを見るのは辛い。
死にそうなメダカがいると、憔悴感で他の事が手につかない。
「ハイちゃん」が死んで、ヤケクソになっていた。
晩ご飯の買い出しに行かなくてはならないが、献立を考える余力がない。
夕方の卵の特売に合わせてスーパーに出向いたが、そこで見つけたものは、
・特売の卵
・特売の春菊
・特売のえのきだけ
・牛肉の値引き品
・生うどんの値引き品
・・・である。
これは・・・・・。
スキヤキ・・・ではないか。
ぬぉぉぉぉうッEE:AE4E5
とにかく私は荒んでいたのだ。こうなったらやってやろうじゃないか、という気持ちになる。
スキヤキ、じゃEE:AE4E5「ハイちゃん」の弔い鍋じゃ、華々しく送り出してやろうじゃないか。
迷ったが、ビールは買わなかった。
ここはダンナを揺さぶって、乗っかってきたらダンナ自ら買って帰る方向にもっていこう。
ダンナの意思であることの証明だ。
その後、2匹のメダカが弱っていった。
1匹は瀕死で、もう死ぬのを待っている状態である。
塩水に入れるといいというが、これもまた勇気のいることである。
これが原因で、死なせてしまうかもしれない。
迷いに迷って、このまま確実に死を待つなら、やれるだけのことをやってみることにする。
隔離するのにも、慎重に。
時間をかけて、メダカのいる部屋との間を何往復もし、今度こそ死んでいるんじゃないかと扉に手をかける。
そんな中、ダンナが帰って来たのは11時半、23時30分だ。
メダカの隔離作業もまだ終わっておらず、メダカの容態も悪いままである。
そこで、スキヤキだEE:AEB64
言葉少なに、ふたりで鍋をつつく。
会話も、箸も、進まない。
もう時間も遅いから、と言って、ダンナはあまり食べなかった。
結局肉も野菜もかなり残ってしまったので、もう1回やることになるだろう。
なぜか今年はスキヤキをやろうとすると、何かに阻まれる。
次こそ楽しく食べられることを、願う。