人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

困惑されて

まだ使えるものを捨てる、という発想はない。

まだ食べられるなら、食べる。

そこに、期限だとか鮮度などは必要ないのである。

問題は、可能か不可能か、である。

娘ぶー子が家を出てから数年がたっているが、彼女が置いていった化粧品などはまだ多く残っている。

おかげで自分は買わずに済んでいるが、なかなか消費が進んでいないのも実情であった。

基礎化粧やファンデーションのように、ベーシックなものはコンスタントに消費できる。

しかしヘアオイルやパックなどの補助的なものや使い慣れないものは、習慣にならないのでなかなか減らないのである。

マスクタイプのパックは、やっと残り1枚となった。

先日ラス前を使ったところだが、冬場にはツライねEE:AEB64

ひんやりと濡れて冷えたシートを、風呂上がりの火照った顔一面に貼るのだ。背筋が伸びる。

しかし貼ってしまえば後はそのまま放置である。

風呂上がりにマスクを貼ったまま、やりたいことができる。笑ったり喋ったりしなければ、マスクが崩れることはない。

リビングに戻ると、ソファの上で大五郎が寝ていた。

私の気配に気づき、彼はこちらを見た。

彼はまず目をまん丸に見開き、顔は動かさずに視線をそらした。

??どうした??

私の方からダイの顔を覗き込むと、一瞬の間があり、なぜかペロペロと舌なめずりをして目をそらす。

白いマスクは顔面全体に貼られていて、穴が開いて出ている部分は目と口と鼻の穴のあたりだけである。

私だと認識できないのだろうか。

さらに私はダイの顔を覗き込んでみる。

目が合う。

ペロペロ。

目をそらす。

何度やってもその繰り返しだ。

なんなの、そのペロペロってやつは。

調べてみたのだ。

猫の舌なめずりにはいくつかの理由があったが、食後ではない、病気でもない、考えられるのは「転移行動」、不安や困惑をごまかすための仕草だそうである。

微動だにせず、視線も合わせず、困惑していた大五郎。

ごめんね、あと1回だから(笑)