酒ちゃんぽんを作り、中途半端に酔ってとても眠かった晩のことだ。
やっと寝れる、と寝室に向かったのは12時半頃だったか。
ダンナはひと足先に自分の寝室へ消え、私はエルを連れて自分の寝室へと入って行った。
枕元に常備してあるお皿に水を入れ、エルにあげる。
エルはそれを静かに飲む。
その間に私は着替える。
・・・ようと思ったのだが。
ちょっ、何EE:AE5B1
カサコソカサコソカサッ。
この音。
聞いたこともない音である。
結構大きい。
カサコソなどというとさほど迫力はなさそうだが、とにかく結構大きいのだ。相手は恐らく初めて見るか、予想だにしないヤツと思われる。
私は慌てて部屋を飛び出して、ダンナを呼んできた。
眠そうな顔でしばらくそこを見ていたダンナも、「何かいるね・・・。」と言って、しかし何をするでもなく頭をひねっていた。
音の発生源は、バッグが掛かっている壁のあたり。
壁とバッグの間で、何か大きなものが引っかかって羽ばたいているような音だ。
それがもし本当に「引っかかって羽ばたいている」としたら、とても大きな蛾か、鳥ではなかろうか。
私は虫取り網とゴキジェットとハチジェットを持って来た。
ダンナが虫取り網の柄で、壁に掛かったバッグをひとつずつ外していく。
何も、いなかった。
音も消えた。
壁伝いに逃げられてしまったのだろうか。
この正体が何かは分からないが、一人で寝ている間に顔に止まられたりしたら、私は泡拭いて失神するだろう。
念のためにベットと壁の間にゴキジェットを噴射して、ダンナは自分の寝室へと戻って行った。
何とも釈然としないまま、私も布団に入る。
安定剤をいつもより多めに飲み、ネットサーフィンで気分を変える。
やがて今度は、カラカラカラという機械的な小さな音が聞こえて来た。
先程と、同じような場所から聞こえてくる。
私は飛び起きた。
それに驚いてエルが、私を見つめている。
私達はしばらく見つめ合っていた。
その間も、カラカラと乾いた音が聞こえていた。
しかしもう、どうしようもないのである。
バッグのところはくまなく探したし、ベッドの裏には殺虫剤を巻いた。
「それ」はもう、家の中にはいない、そんな楽観的な気持ちになっていたのは薬の効果か。
私は電気を消し、布団に入り、やがて寝てしまった。
そういえば過去にこんなことが一度あったような・・・・・。
この頃また、早朝に目が覚めるようになったのだ。
それを利用してまたゲームをやるようになったが、前夜の怪音で寝不足である。
5時半に目が覚めるも、朝ゲーは見送ることにして私は再び目を閉じた。
その時。
カサコソカサコソカサッ。
うわっ、この音、昨日と同じEE:AEB30
パッチリと目が覚めてしまった。
と同時に、思い出したのだ。
前にもこんなことがあった。
同じ音だったかどうかはもう分からないが、やはり奇妙な音がしたのでその元を探ったことがあったのだ。
あの時は昼間で、私はすぐさま窓を開けて外を見たのだった。
壁に近い電線のところで、カラスが何かをつついていた(笑)
なるほど、確かにそう思えばそんなような感じがしないでもない。
犯人はカラスかどうかまでは分からないが、何かの鳥がそこで何かをしていた、ということだろう。と思いたい。
あれからあの音は聞いていない。
とりあえず寝室に平穏が戻った。