人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

何かがいる・1

酒ちゃんぽんを作り、中途半端に酔ってとても眠かった晩のことだ。

やっと寝れる、と寝室に向かったのは12時半頃だったか。

ダンナはひと足先に自分の寝室へ消え、私はエルを連れて自分の寝室へと入って行った。

枕元に常備してあるお皿に水を入れ、エルにあげる。

エルはそれを静かに飲む。

その間に私は着替える。

・・・ようと思ったのだが。

EE:AEB2F

ちょっ、何EE:AE5B1

カサコソカサコソカサッ。

EE:AEB30

なになになにEE:AEB2F何かいるEE:AEB2F

この音。

聞いたこともない音である。

結構大きい。

カサコソなどというとさほど迫力はなさそうだが、とにかく結構大きいのだ。相手は恐らく初めて見るか、予想だにしないヤツと思われる。

私は慌てて部屋を飛び出して、ダンナを呼んできた。

眠そうな顔でしばらくそこを見ていたダンナも、「何かいるね・・・。」と言って、しかし何をするでもなく頭をひねっていた。

音の発生源は、バッグが掛かっている壁のあたり。

壁とバッグの間で、何か大きなものが引っかかって羽ばたいているような音だ。

それがもし本当に「引っかかって羽ばたいている」としたら、とても大きな蛾か、鳥ではなかろうか。

私は虫取り網とゴキジェットとハチジェットを持って来た。

ダンナが虫取り網の柄で、壁に掛かったバッグをひとつずつ外していく。

何も、いなかった。

音も消えた。

壁伝いに逃げられてしまったのだろうか。

この正体が何かは分からないが、一人で寝ている間に顔に止まられたりしたら、私は泡拭いて失神するだろう。

念のためにベットと壁の間にゴキジェットを噴射して、ダンナは自分の寝室へと戻って行った。

何とも釈然としないまま、私も布団に入る。

安定剤をいつもより多めに飲み、ネットサーフィンで気分を変える。

やがて今度は、カラカラカラという機械的な小さな音が聞こえて来た。

先程と、同じような場所から聞こえてくる。

私は飛び起きた。

それに驚いてエルが、私を見つめている。

私達はしばらく見つめ合っていた。

その間も、カラカラと乾いた音が聞こえていた。

しかしもう、どうしようもないのである。

バッグのところはくまなく探したし、ベッドの裏には殺虫剤を巻いた。

「それ」はもう、家の中にはいない、そんな楽観的な気持ちになっていたのは薬の効果か。

私は電気を消し、布団に入り、やがて寝てしまった。

そういえば過去にこんなことが一度あったような・・・・・。

この頃また、早朝に目が覚めるようになったのだ。

それを利用してまたゲームをやるようになったが、前夜の怪音で寝不足である。

5時半に目が覚めるも、朝ゲーは見送ることにして私は再び目を閉じた。

その時。

カサコソカサコソカサッ。

うわっ、この音、昨日と同じEE:AEB30

パッチリと目が覚めてしまった。

と同時に、思い出したのだ。

前にもこんなことがあった。

同じ音だったかどうかはもう分からないが、やはり奇妙な音がしたのでその元を探ったことがあったのだ。

あの時は昼間で、私はすぐさま窓を開けて外を見たのだった。

壁に近い電線のところで、カラスが何かをつついていた(笑)

なるほど、確かにそう思えばそんなような感じがしないでもない。

犯人はカラスかどうかまでは分からないが、何かの鳥がそこで何かをしていた、ということだろう。と思いたい。

あれからあの音は聞いていない。

とりあえず寝室に平穏が戻った。