相変らず、眠りにつくにはちょっとした努力を要している。
「寝なくちゃいけない」というプレッシャーに弱く、まずは寝なくてもいいような体で布団に入る。
そのままボケッとしているうちに眠くなってくれれば、一番いいパターンである。
しかし昨日は、寝る前にやりたいことがあった。
ゲームの攻略本を読みたかったのである。
これならブルーライトも出ないし、ゲームの肥やしになる。
というか、ゲームの情報急募!!だったのだ、布団に入ったら迷わず眼鏡をかけた。
体は正直である。いや、その逆か。
寝なきゃと思うほどに目が冴えるくせに、寝てはいけないとなると途端に眠くなるのだ。本当に面倒くさいヤツである。
まぁ寝れるならその方がいい。こんなんでも、攻略法よりも睡眠の方が大事なのだ。
攻略本なら明日も読めるが、快眠、明日訪れるとは限らず。
目を閉じる。
吸い込まれるような感覚。
電気を消す。
自分が消えていくようだ。
あぁ理想的な眠り・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
腕の中で寝ていたエルは、スッと体を起こした。
だよね、今、何か外で音がしたよねEE:AEB64
私も耳を澄ます。
何とも形容しがたい音が、時々、小さく鳴る。
聞いたとこもないような音であった。
そしてそれは、すぐ側で鳴っていた。
ご近所の誰かしらなら、このあと自転車の音なり鍵を開ける音なりドアを開ける音なり、聞き慣れた音が出てくるはずである。
しかしその不思議な音は、ちょっと鳴っては止まり、その存在をそっと私とエルに知らしめていた。
気味が悪いので、電気をつけた。
私からの敵へのアピールである。「起きてるぞ。分かっているんだぞ。」
音は変わらず、移動をしながら鳴っては止まる。
そのまま変化がないので、私も慣れて来て眠くなってきた。
もういいか、アンタの勝ちだよ、電気を消そうとしたその時。
#&%$+*&%*#$*☆☆☆EE:AEB30
何かの鳴き声のようなものが響き渡った。
猫のケンカの声に近いが、それとは違う。
甲高いキーキーとした鳴き声。宇宙人かとも思った。
そこで私はとっさに、夕方見かけた動物の事を思い出した。
うちの近くをハクビシンが横切って行ったのである。
それにしてもこの声。
罠かなにかにかかって苦しんでいるのか??
長い。
痛いのか??可哀想な感じなのか??
やがて、声はやんだ。
再び静寂が訪れ、私に眠ることを思い出させたが、すっかり目が覚めてしまった。
そこで、スマホでハクビシンの鳴き声を調べてみた。
ビンゴEE:AEB64
こういう鳴き声なのだ、別に苦しんで叫んでいた訳ではなさそうだ。
スッキリしたが、すっかり目が覚めてしまった。
薬を追加。
追加したという事実が、私を再び眠りにいざなう。おまじないみたいなものだ。
しかし朝のアラームには全く気がつかなかった。
消してはいたようだから、正確に言えば「記憶に残らなかった」ということか。
午前中は眠くてたまらなかった。
ハクビシンは寝ているだろうか。