人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

深夜の絶叫

相変らず、眠りにつくにはちょっとした努力を要している。

「寝なくちゃいけない」というプレッシャーに弱く、まずは寝なくてもいいような体で布団に入る。

そのままボケッとしているうちに眠くなってくれれば、一番いいパターンである。

しかし昨日は、寝る前にやりたいことがあった。

ゲームの攻略本を読みたかったのである。

これならブルーライトも出ないし、ゲームの肥やしになる。

というか、ゲームの情報急募!!だったのだ、布団に入ったら迷わず眼鏡をかけた。

体は正直である。いや、その逆か。

寝なきゃと思うほどに目が冴えるくせに、寝てはいけないとなると途端に眠くなるのだ。本当に面倒くさいヤツである。

まぁ寝れるならその方がいい。こんなんでも、攻略法よりも睡眠の方が大事なのだ。

攻略本なら明日も読めるが、快眠、明日訪れるとは限らず。

目を閉じる。

吸い込まれるような感覚。

電気を消す。

自分が消えていくようだ。

あぁ理想的な眠り・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・。

腕の中で寝ていたエルは、スッと体を起こした。

だよね、今、何か外で音がしたよねEE:AEB64

私も耳を澄ます。

何とも形容しがたい音が、時々、小さく鳴る。

聞いたとこもないような音であった。

そしてそれは、すぐ側で鳴っていた。

ご近所の誰かしらなら、このあと自転車の音なり鍵を開ける音なりドアを開ける音なり、聞き慣れた音が出てくるはずである。

しかしその不思議な音は、ちょっと鳴っては止まり、その存在をそっと私とエルに知らしめていた。

気味が悪いので、電気をつけた。

私からの敵へのアピールである。「起きてるぞ。分かっているんだぞ。」

音は変わらず、移動をしながら鳴っては止まる。

そのまま変化がないので、私も慣れて来て眠くなってきた。

もういいか、アンタの勝ちだよ、電気を消そうとしたその時。

#&%$+*&%*#$*☆☆☆EE:AEB30

何かの鳴き声のようなものが響き渡った。

猫のケンカの声に近いが、それとは違う。

甲高いキーキーとした鳴き声。宇宙人かとも思った。

そこで私はとっさに、夕方見かけた動物の事を思い出した。

うちの近くをハクビシンが横切って行ったのである。

それにしてもこの声。

罠かなにかにかかって苦しんでいるのか??

長い。

痛いのか??可哀想な感じなのか??

やがて、声はやんだ。

再び静寂が訪れ、私に眠ることを思い出させたが、すっかり目が覚めてしまった。

そこで、スマホでハクビシンの鳴き声を調べてみた。

ビンゴEE:AEB64

こういう鳴き声なのだ、別に苦しんで叫んでいた訳ではなさそうだ。

スッキリしたが、すっかり目が覚めてしまった。

薬を追加。

追加したという事実が、私を再び眠りにいざなう。おまじないみたいなものだ。

しかし朝のアラームには全く気がつかなかった。

消してはいたようだから、正確に言えば「記憶に残らなかった」ということか。

午前中は眠くてたまらなかった。

ハクビシンは寝ているだろうか。