メンバーは「コードで弾けば?」と言ってくれたが、それではあまりにもカラオケである。早弾きしたい人のための。
何らかのメロディラインを入れるべきじゃないのか、うーん・・・。
ディレイかけるか。
追っかけエコーである。
少し遅れて山びこ的に追いかけてくるのだ、これを何重かにかければ、ゆっくり弾いても音の数が増えて早弾きっぽく聞こえるんじゃないか?
でもこのシンセ、どうやってディレイかけるのよEE:AE5B1
もうこの頃のシンセのマニュアルは、本じゃなくてネットである。
とてつもなくややこしいのである。
パソコンを立ち上げ、マニュアルを開く。
そんなややこしいものが、私に理解できる訳がないのだ。
長い時間をかけてあちこちのページに飛び、分かったことは作業の名称ぐらいのものであった。
これまた狩猟本能同様、何としてでも解読してやりたくなったが、時間がないのである。ハッキリ言って、弾けるパターンを自分で考えた方が早い。
私は再びシンセに向かい合った。
音をいくつか端折って弾いてみる。
ダセーEE:AEB64
あぁ、せめてディレイがかけられれば・・・。
そこで目についてしまったのは、シーケンサー、打ち込みのボタンである。
そうか、こいつならどんなスピードでもバカみたいに忠実に弾くだろう。
こいつは機械だ。
やれと言ったらハイと言って従うのである。
もうマニュアルはウンザリだったので、シーケンサー部分の録音ボタンを押してみた。
するとカッカッカとカウントを始めたので、TEMPOのつまみを回してスピードを落としてみた。
おー、ゆっくりになったぞEE:AEACAこのスピードなら、私にでも弾ける。
録音のポーズを解除して、カウントに合わせて弾いていく。
録音を終えたら、それを再生しつつ今度はTEMPOを上げてみた。
ゴイスゴイス、早弾きになってるじゃんEE:AE482もうソロ部分は打ち込みでいっちゃおうEE:AEAAB
ところでサラッと書いたが、ここに到達するまでも試行錯誤があり、かなりの時間がかかっていた。
これにて一件落着かと思いきや、いま一度、良く考えてみる。
イントロがあって、Aメロきて、Bメロきて、はい、ソロ、シーケンサー、ONEE:AEB30
そんな上手くいくかいなEE:AEB64テンポ合うのか??
そもそもシーケンサーは、リズムマシーンの要素も兼ねているのである。このように部分的に使うのは難しい。
それに、この録音の保存の仕方も呼び出し方も分からない。分かるためにはまたマニュアルを開かなくてはならないのだ。
私は一体どれだけの時間を無駄にしたのだろうか。
結局自ら「ダセー」と評価した「簡易版早弾きもどき」しか手がなさそうである。
それすら弾けないというのに、一体私は何をしてるんだ・・・。