人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

故意か、不可抗力か

それに気づいたのは、おとといのことである。

ブログの下書きをしていてふと左手の甲を見たら、それがなかったのである。

 

マッツァオ。

 

ヤッバイ、いつからないんだ、ちょっと待って、今日は月曜日、もしかしておととい酔っ払って・・・。

 

指輪を無くしたのは、初めてではない。

何しろサイズが緩いので、時々なくなるようである。

「ようである」というのは、そのほとんどが酔って無くすという状況で、不可抗力か故意がわからないからである。

 

まずいことになった。

これは「結婚指輪」などという大層なものではないが、それに代わる夫婦の証明でもあった。

これまでは何とか出てきたが、そのどれも、思いもよらない場所から出て来たのだ。自力で探して出て来るとは思えない。

 

どうしよう。

また無くしたなんて言えない。

バカみたいに飲み過ぎたことを、責められるかもしれない。

 

いや、待った。

酔って無くした確率は高いが、絶対とも言い切れない。

緩いのだ、どこかでスッポ抜けた可能性もなくはない。

いやいや、待たなくていい。こっちの方が見つけるのが難しそうだ。

 

決めた。

今回もとことんしらばっくれる。

自分ですらいつからないのか分からなかったぐらいだ、ましてやダンナが私の体の末端などに気を配るとは思えない。

言わなきゃ気づくまい。

気付かれたら白状すればいい。

 

今回は、絶望的と思われた。

日曜日に泥酔したルートは、カラオケ→飲み屋→飲み屋2→バス→家、である。あまりにも広すぎる。飲み屋2など、今となってはその存在すら分からない。

 

しかし、それは向こうの方からやってきた。

「オレのコートのポケットに入ってたんだけど・・・。」

は??何で!?

「わかんねー・・・。」

 

かくして今回も、「わかんねー」状態で手元に戻って来たのであった。

本当に不思議である。

「もうこの指輪はやめようか。」

ダンナが言った。