りんご21個。これが今年のノルマであった。
毎年ダンナの実家から、箱入りのリンゴが送られてくる。
加えて毎年、ご近所の方が3個くれるのだ。
自ら皮を剥いてフルーツを食べることがない私には、重いノルマであった。
諦めた年もあった。
努力した年もあった。
いずれにしろ、フルーツ好きなダンナがコンスタントに食べていたので、ある程度までは消費した。
それでもこの量だ。
最終的には毎年、頭を抱えるか捨てることになっている状態であった。
私には、コツコツ消費するのは無理そうである。一気に大量消費を狙いたかった。
結果、りんご酒として消費するのが一番経済的だったのだが、美味しくならないくせに大量という結果に終わり、これも2年で廃れてしまった。
2月9日。
現時点でまだ、12個近いリンゴが残されていた。
ダンナもいい加減見限ったのか、このところりんごの動きはない。
このままでは残りは全滅する。
そしてそれにはまだ長い時間がかかる。
ジワジワと真綿で首を絞められるように、罪なきりんごをあの世に送っていく罪の呵責に耐え続けなくてはならないのである。
階段に置きっぱなしのダンボールがいい加減邪魔でもあった。
今年もまた、「りんご 大量消費」検索のシーズンがやってきた。
無駄とは思いつつ、「りんごのために何かしている」という免罪符にすがる。
しかし無駄ではなかった。今年は、新しい発見があったのだ。
りんご大量消費新発見。
それは、チャツネであった。
チャツネ?
スーパーで見たり、レシピで見たりしたことはあったが、私はそれを口にしたことがなかった。味の想像すらできない。
しかし、甘い果物をスイーツとしないで食べられる、数少ない方法であった。
カレーに入れると美味しいという。
悪い話ではない。
作り方も簡単だ。切って混ぜて煮るだけ。
決まった。
この何だかわからんチャツネというものを作ってみることにしよう。
つづく