「みんなで浅草に行きたい!」
娘ぶー子の提案は、いつも唐突だ。
一度会うとパッタリ連絡が途切れるので、様子窺いにLINEをした時のことである。
前回は「伊豆に行きたい!」というので、これもまた急に伊豆行きが決まったのであった。
まぁこのように外側からの催促がないと、なかなか何事も実現しなくなってきた今日この頃だ。
あっという間に日にちが決まり、それが昨日過ぎ去ったのである。
それぞれに行きたい場所は考えてあったのだろうが、結局その半分ぐらいしか回れなかったのだ。
何しろ浅草周辺の見どころの多さ。
どの通りも風情があり、全て歩き尽す勢いであった。
もう一つの目的地として上野のアメ横が挙がっていたので、仕方なく適当にケリをつけて移動したのである。
それにしても、平日だというのにすごい人出であった。
外国人観光客の多さにも驚いた。
確実に日本が、「世界の観光地」として認められつつあることを感じた。
そりゃそれで誇らしいが、こうなるととても休日に出る気にはならんのーEE:AE5B1
もんじゃ饅とぬれせんとだんごと海鮮丼を食べた。
浅草寺では、ぶー子がおみくじに食いついた。
彼女は7年前にここで凶を引いたはずである。なぜそんな恐ろしいものに興じようとするのだ。
「いい風にしか解釈しないから、全然平気♪」と彼女は能天気に言った。
「大凶なんて出た日には、どうしたらいい解釈に・・・。」
「どん底なら、あとは昇るだけ~☆」
このマイナス思考の親から、よくぞこれだけプラス思考の娘が生まれたもんだとつくづく思う。
時にはもうちょっと慎重になってくれ、とマイナス母はいつもビクビクしていたりする。
無事「吉」を引き、プラス娘はプラス分だけ人より多く喜び、賽銭箱に気前良く500円を投じた。
せっかくだから、アメ横までは散歩がてら歩くことにした。
コンビニで白ワインのボトルを買おうとすると、「ちょっ、待っ、それ持って歩くのEE:AEB2F」とぶー子からブーイング。
歩きワインにはもうすっかり慣れてしまったが、これが世間一般の反応なのか。
仕方なくハーフボトルを手に取ると、「せめてそれぐらいにしてよね」と呆れたように言った。
まぁいい、なくなったらまた買えばいいだけのことである、フフン。
すでにホッピー通りで軽く飲んだ後である。ハーフボトルが空く頃にはほろ酔いであった。
そこで調子に乗ってダジャレなんか言ったりすると、途端にぶー子の機嫌が悪くなる。
「これ以上酔っ払うんならもう飲むのやめてよねEE:AE4E5」
場を和ませようと思って言ったなけなしのダジャレも、逆効果であった。言えば言うほど空気が悪くなるのだ。
なんで私にだけそんなにジャッジが厳しいのだ、と文句を言うと、それは自分の過去がそうさせてるんだから良く考えなさい、と言われてしまった。
グゥの音も出んわ。
夕方のアメ横は、値引きされてバカ安になっていた。
ただ、持って帰ることと量の多さを考えると、手が出ない。
値下げされた魚介類を大量に買って帰るということは、その日のうちに食べ切れない、消費しきれない、というデメリットと抱き合わせになる。
何とかここをクリアする方法はないものか。
アメ横でさらに飲み、帰って来たはずである。
しかし今思い返すと、店を出るところから西武線に乗るまでの間の記憶がほとんどない。
あながちぶー子のジャッジも、外れてはいなかったようである。
西武線ではなぜはダンナが「特急で帰る」と言い、「残り3席」のギャンブルに勝ち、ぐっすり眠って帰って来たのであった。
楽しかったが、まだまだ遊び足りない。
浅草・上野は見どころ満載の街であった。