人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

娘から母へ、黄色いカード

「みんなで浅草に行きたい!」

娘ぶー子の提案は、いつも唐突だ。

一度会うとパッタリ連絡が途切れるので、様子窺いにLINEをした時のことである。

前回は「伊豆に行きたい!」というので、これもまた急に伊豆行きが決まったのであった。

まぁこのように外側からの催促がないと、なかなか何事も実現しなくなってきた今日この頃だ。

あっという間に日にちが決まり、それが昨日過ぎ去ったのである。

それぞれに行きたい場所は考えてあったのだろうが、結局その半分ぐらいしか回れなかったのだ。

何しろ浅草周辺の見どころの多さ。

どの通りも風情があり、全て歩き尽す勢いであった。

もう一つの目的地として上野のアメ横が挙がっていたので、仕方なく適当にケリをつけて移動したのである。

それにしても、平日だというのにすごい人出であった。

外国人観光客の多さにも驚いた。

確実に日本が、「世界の観光地」として認められつつあることを感じた。

そりゃそれで誇らしいが、こうなるととても休日に出る気にはならんのーEE:AE5B1

もんじゃ饅とぬれせんとだんごと海鮮丼を食べた。

浅草寺では、ぶー子がおみくじに食いついた。

彼女は7年前にここで凶を引いたはずである。なぜそんな恐ろしいものに興じようとするのだ。

「いい風にしか解釈しないから、全然平気♪」と彼女は能天気に言った。

「大凶なんて出た日には、どうしたらいい解釈に・・・。」

「どん底なら、あとは昇るだけ~☆」

このマイナス思考の親から、よくぞこれだけプラス思考の娘が生まれたもんだとつくづく思う。

時にはもうちょっと慎重になってくれ、とマイナス母はいつもビクビクしていたりする。

無事「吉」を引き、プラス娘はプラス分だけ人より多く喜び、賽銭箱に気前良く500円を投じた。

せっかくだから、アメ横までは散歩がてら歩くことにした。

コンビニで白ワインのボトルを買おうとすると、「ちょっ、待っ、それ持って歩くのEE:AEB2F」とぶー子からブーイング。

歩きワインにはもうすっかり慣れてしまったが、これが世間一般の反応なのか。

仕方なくハーフボトルを手に取ると、「せめてそれぐらいにしてよね」と呆れたように言った。

まぁいい、なくなったらまた買えばいいだけのことである、フフン。

すでにホッピー通りで軽く飲んだ後である。ハーフボトルが空く頃にはほろ酔いであった。

そこで調子に乗ってダジャレなんか言ったりすると、途端にぶー子の機嫌が悪くなる。

「これ以上酔っ払うんならもう飲むのやめてよねEE:AE4E5

場を和ませようと思って言ったなけなしのダジャレも、逆効果であった。言えば言うほど空気が悪くなるのだ。

なんで私にだけそんなにジャッジが厳しいのだ、と文句を言うと、それは自分の過去がそうさせてるんだから良く考えなさい、と言われてしまった。

グゥの音も出んわ。

夕方のアメ横は、値引きされてバカ安になっていた。

ただ、持って帰ることと量の多さを考えると、手が出ない。

値下げされた魚介類を大量に買って帰るということは、その日のうちに食べ切れない、消費しきれない、というデメリットと抱き合わせになる。

何とかここをクリアする方法はないものか。

アメ横でさらに飲み、帰って来たはずである。

しかし今思い返すと、店を出るところから西武線に乗るまでの間の記憶がほとんどない。

あながちぶー子のジャッジも、外れてはいなかったようである。

西武線ではなぜはダンナが「特急で帰る」と言い、「残り3席」のギャンブルに勝ち、ぐっすり眠って帰って来たのであった。

楽しかったが、まだまだ遊び足りない。

浅草・上野は見どころ満載の街であった。