人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

償い/ 矢口敦子

スマホのせいで、本を読む時間が激減してしまった。

病院の長い待ち時間で一気に半分ほど読めたので、勢いがついたのだ。

久しぶりに、読みきったEE:AE5B1

もともとは医者であった日高だったが、病院内の策略にはまり、全てを失った。

家庭を顧みず自分のことだけを考えて生きていたのだ、彼は家族をも失い、ホームレスと成り果てていた。

埼玉のベッドタウンでゴミを漁り、図書館で時間を潰す。

そこで出会った少年・真人は、昔自分が命を救った子であった。

失った自分の息子と重ね、特別な思いを抱くようになっていく日高。

しかしやがて分かってくる、真人の歪んだ価値観。

自分が救った命は、救うべきではない命だったのだろうか。自問自答する中、この町で起こった連続殺人事件の「点」が、「線」となっていく。

これ以上、死者を出してはいけない、罪を重ねさせてはいけない。日高の願いも空しく・・・。

うーん。まぁ良くある「犯人は意外な人物だった」というオチなのだが、それが分かったところで別段驚きもなかったのはなぜだろう??

もうややこし過ぎて、どうでもよくなっていたのだ(笑)

たくさん死者が出ているが、もう最初の方に死んでた人は忘れてしまうし、あまりに多いので名前が出てもそれが誰だか思い出せないこと多々。

刑事との信頼関係が簡単にできてしまうこと、昔救った少年との再会、その少年の非現実的な異常性、ホームレスである日高に誰もが心を開いて何でも話してくれること、昔交際していた女性が会いに来ること・・・、無理がある展開にも感情移入できず、「作り話」として読む馬鹿馬鹿しさもあり。

読みやすいのでサクサク進めたが、そんなんであまりのめり込めなかったのだ。

読み終わっても未消化の部分が残り、スッキリしなかった。

事件や登場人物が多くて、理解することを諦めてしまったのだ。

ちゃんと整理して読めれば面白いのかもしれないが、できれば手間なく読み進みたいものだ。

ぽ子のオススメ度 ★☆☆☆☆

「償い」 矢口敦子

幻冬舎文庫