寝る前の読書習慣がなくなって、どれくらいが経っただろうか。
勉強を兼ねてコード理論の本を読むようになってから、その習慣が煩わしくなってきたのだ。
そもそもは眠りに入るためのリラックスの時間、夢の時間であったはずだ。
コード理論。
そこには夢も冒険も魅惑もない。
「読みたい」と思わせるものが何もないのである。
代わりにスマホのネットサーフィンが、布団の中でも繰り広げられるようになってしまった。
あの本を読まなくてはと思いはするのだが、それはどうしても今日ではない。
そしていつまで経っても今日ではないのである。
そしてこのままでは永遠に明日になってしまいそうであった。
気持ちひとつだ。
寝っ転がってページを開くだけ、何の縛りもハードルもない、私の気持ちひとつなのである。だからこそこんなに時間がかかっているのだが。
はー、年も明けたし、そろそろあの本をやっつけてしまうことにするかの。
ところでページは、13ページで止まっていた。
まだほんの序盤の序盤なのに、もうその内容を忘れていた。ええいもう、最初から読んでやる。
ホラ!今回はマーカーもある。私のようなウスラボケでも、あとで読み返してポイントが分かるようにしておいてやるのだ。
そして18ページ。
18ページで止まった。
寝てしまったのではない。全く理解ができないのである。
同じ音名で振動数比1:2の場合が1オクターブあるいは完全8度、振動数比2:3が完全5度、3:4の場合が完全4度となります。このように振動数が単純な整数比の場合は良く協和して透明に響き、これらを完全音程といいます。
完全に分からないと言いますEE:AEB64
振動数ってなによ??その説明なしにいきなり言われましても、そしてその上にどんどん理論を乗っけられましても、訳が分かりませんて。
単純な整数ってなんだ??せめて複雑な整数比の例でも出してくれりゃ、ちょっとは考えられるものを。
こんなところで止まっていては、先に進めそうもない。読んでいるうちに分かってくるかもしれないし、意外といらん話かもしれない。続きを読もう。
短2度を転回すると長7度、長2度は短7度、完全4度は完全5度、増4度は減5度・・・・・。
下に楽譜が出ているが、規則性は分かる。でも意味がさっぱり分からない。
これは暗記ものか?もしかしてさっきのも理屈じゃなくて暗記だったのか?コード理論とは実は全て暗記だったのか??
なぜ完全4度は完全4度じゃなくて完全5度なのか?だったらもうもともと完全5度でいいじゃないか。
分からないものは何度読んでも分かりはしない。
いや、これを勉強と思うな、RPGゲームの謎解きと考えよう。
結果、1時間半も読んでいた。たかが18ページに1時間半だ。しかも眠くならん。
これでは「睡眠への儀式」にならない。
せっかく早めに布団に入ったのに、これでは意味がないじゃないか。
眠りの足しにも知識の足しにもなりそうにない。
しかし私にも意地とプライドがある。
最後まで目だけ通してやる。読み終わって理解ができなかったら、著者が悪いと思うことにする。
もう深追いはしないで、目だけ動かす。目的は「眠くなること」が一番なのだ。
今年も私の鍵盤技術の向上はなさそうである。