人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

スマホ紛失

「ハイハイハイハイ、スマホ充電しとくよ~。」

最近休日の朝は、ダンナがこのようにして私のスマホを回収していくようになった。

出かけようと思うと充電がピンチになっていることが多いので、早起きのダンナが回収して充電してくれるようになったのだ。毎週末二日酔いの身としては、大変助かっている。

「う・・・。たぶんその辺に・・・。」

毎週末、二日酔いだ。ギリギリ残った気力で、スマホのありかを思い出そうと試みる。

たいがい、ベッド周りだ。寝る前にFBやらインターネットやら。

「ないよ~。」

う・・・。ないとな。前夜はスマホいじる余力すら残ってなかったのか。どうりで凄まじい二日酔い。

仕方なく体を起こしてバッグの中を捜す。

「・・・ない。」

「ない!?」

私は再びベッドにもぐり込んだが、「ちょっとちょっと!!ないなら回線止めなきゃ!!早く早く!!」

「え・・・、今??」

「いまッ!!」メンド臭いなぁ・・・。

しぶしぶリビングに下りて行き、顔だけ洗ってauに電話。まずは位置検索サービスだ。こんな時のために、スマホの設定は済ませてある。

お客様の電話番号。

契約者の名前。

暗証番号。

少々お待ちください。

2、3分かかるという。いつ戻ってくるかわからないので、受話器を耳に当てたまま、ボケーッと保留音を聞いていた。メンデルスゾーン、春の歌。

1分ほど経った頃か。

突然ピーッという電子音が、私のバッグの中から聞こえてきた。

・・・・・・このタイミングでこのような音がこのような場所から。

もうエンディングは見えてしまった。ダンナの蔑むような薄笑い。

バッグの中をもう一度、下からひっくり返すようにまさぐってみる。

「てへへ、見つかっちゃったよEE:AEAC5」とでもいうように、一番下からその探し物は姿を現した。

参ったね、auのコールセンターでは今、あなたを探し出そうとしているわよ。

やがて電話に戻ったスタッフは、「結果が出ました。」と言って、馴染みのある住所をゆっくりと発声した。

ハイハイ、もう言わんでもわかっちょるばい。しかし厳密には番地がほんの少しだけ違っていたが。

最後に「見つからなかった場合の機種変更」についての無駄な説明までキッチリ聞いて、「家の中にありそうなので、もう一度探してみます。」と電話を切ったのだった。

これが4日前の話だ。

そしてまさかその3日後に、同じ電話をする羽目になるとは。