人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

出会いのない別れ

朝、ダンナを送り出しに玄関を出ると、何か落ちていた。

黒っぽくて小さなそれは、良く見ると小さなトカゲのようであった。

「なんかいるよ!」

「トカゲ??ちょっと違う??イモリ??ヤモリ??」

手の形状からイモリかヤモリじゃないか、などと言いつつ、そいつの移動を試みる。

つっついても動かず、広告ですくい上げて、木陰に移す。

以上。

ところで、あれがイモリでもヤモリでも構わないが、イモリとヤモリの違いって何なんだろう?

気になったので調べてみる。

共通点が多いので混同しやすいその2種は、実は結構違いがあった。

イモリは両生類で、ヤモリは爬虫類。なのでイモリは主に水で暮らしているそうだ。

見た目も、黒っぽいのがイモリ、白っぽいのがヤモリ。

ということで、私が見つけたアレは、イモリということが分かったのだ。

以上。

月曜日だが、昨日は飲まないで寝たので気分がいい。

残り物のポテトサラダを食べ、コーヒーを入れる。

フン、フン、フン♪

気持ちのいい週明けだ。

掃除機をかけ、洗濯物を干す。

パンパンになったゴミ袋を、表のポリバケツに出しに行く。

ドアを開け、・・・そういえばイモリはどうしたかな??

全く変化なし。

ゴミを捨てた帰りに、広告でちょっとつっついてみた。反応なし。

・・・弱っているのか?

元気なら勝手にしろと思えるが、弱ってたら可哀想だなぁ。

まだほんの4、5センチほどの(推定)子供である。

どうしたらいい?

子供のイモリが動かないという事態をネットで調べてみると、「死んでしまった」という内容のものがあるのと同じぐらい、「死んだように動かない」というものがあったのだ。

うーん、まずは生存確認が先か。

私はもう一度イモリのところへ行き、今度は執拗につっついてみた。

しかし、全く反応はない。

・・・死んでるのか?でもこれって、「死んだように動かない」とどう違うのか??

果たしてイモリの生存確認とは、どのようにしたらいいものか。

私はネットの相談サイトに投稿した。

と同時に、イモリの飼育の仕方も調べたのだ。

水が必要だ。それもカルキを抜いたもの。

でもそもそも、アレは生きているのか?

カルキ抜きだエサだと買ってから死んでましたじゃ、出費も痛いが精神的にもイタイ。

できれば買い物に行くまでに結論を得て、結果次第で色々揃えようと思っていた。

すぐに返事は来なさそうなので、川の水を汲んでくることにした。

ポリ容器を持って出かける前に相談サイトをチェックすると、回答がひとつ。

「水かけてみたら??」

水かけてみたら??

まぁそれもそうだが、あんまり深く考えてなさそうな回答だ。

それでも、もしかしてイモリに変化がないとは限らない。

私はコップに水を入れて、スプーンでイモリにかけてみた。

反応なしEE:AE5B1

もうぶっちゃけ、何の命の息吹も感じられない。

しかし「よもや」のケースがないとも限らないじゃないか。

「イモリ 全然動かない」で検索。「全然」という非常事態で検索し直しだ。

それでも結果は、死んでたの半分、死んだみたいに動かないの半分。

そんな中にひとつ、「イモリは危機を感じると、仮死状態になることがある」というものを発見。

仮死状態。まさにそんな感じである。死んでるとの全く見分けがつかん。

まだ生きている希望を持ち、相談サイトには「水、反応なし」と書き込んで、買い物に出る。

川の水はやめた。

生きている希望は持っているが、実際は怪しいのである。「希望」は私が持ちたいから持っているだけの状態であった。

買い物から戻ると先ほどの回答者から、「冬眠かもしれないから、室温程度に温めたらどうでしょう?」との追加回答があった。

え~!?冬眠~~!?

そんなに寒いとは思えなかったが、まだ赤ちゃんイモリである。体温調節が難しいとかあるかもしれない。

私は大真面目に、ペットボトルの暖房を作った。猫が小さかった時に、よく作ったヤツだ。ペットボトルに熱い湯を入れる。

これをイモリ(の遺体!?)の側に置いた。

変化はない。

回答者からは、「適当に調べて言ってしまいました、ごめんなさい」という返事までもらったが、諦めがつかない。

私は、このイモリを育てたいのである・・・。

変化はない。

今、私は、とっても寂しい。