朝、ダンナを送り出しに玄関を出ると、何か落ちていた。
黒っぽくて小さなそれは、良く見ると小さなトカゲのようであった。
「なんかいるよ!」
「トカゲ??ちょっと違う??イモリ??ヤモリ??」
手の形状からイモリかヤモリじゃないか、などと言いつつ、そいつの移動を試みる。
つっついても動かず、広告ですくい上げて、木陰に移す。
以上。
ところで、あれがイモリでもヤモリでも構わないが、イモリとヤモリの違いって何なんだろう?
気になったので調べてみる。
共通点が多いので混同しやすいその2種は、実は結構違いがあった。
イモリは両生類で、ヤモリは爬虫類。なのでイモリは主に水で暮らしているそうだ。
見た目も、黒っぽいのがイモリ、白っぽいのがヤモリ。
ということで、私が見つけたアレは、イモリということが分かったのだ。
以上。
月曜日だが、昨日は飲まないで寝たので気分がいい。
残り物のポテトサラダを食べ、コーヒーを入れる。
フン、フン、フン♪
気持ちのいい週明けだ。
掃除機をかけ、洗濯物を干す。
パンパンになったゴミ袋を、表のポリバケツに出しに行く。
ドアを開け、・・・そういえばイモリはどうしたかな??
全く変化なし。
ゴミを捨てた帰りに、広告でちょっとつっついてみた。反応なし。
・・・弱っているのか?
元気なら勝手にしろと思えるが、弱ってたら可哀想だなぁ。
まだほんの4、5センチほどの(推定)子供である。
どうしたらいい?
子供のイモリが動かないという事態をネットで調べてみると、「死んでしまった」という内容のものがあるのと同じぐらい、「死んだように動かない」というものがあったのだ。
うーん、まずは生存確認が先か。
私はもう一度イモリのところへ行き、今度は執拗につっついてみた。
しかし、全く反応はない。
・・・死んでるのか?でもこれって、「死んだように動かない」とどう違うのか??
果たしてイモリの生存確認とは、どのようにしたらいいものか。
私はネットの相談サイトに投稿した。
と同時に、イモリの飼育の仕方も調べたのだ。
水が必要だ。それもカルキを抜いたもの。
でもそもそも、アレは生きているのか?
カルキ抜きだエサだと買ってから死んでましたじゃ、出費も痛いが精神的にもイタイ。
できれば買い物に行くまでに結論を得て、結果次第で色々揃えようと思っていた。
すぐに返事は来なさそうなので、川の水を汲んでくることにした。
ポリ容器を持って出かける前に相談サイトをチェックすると、回答がひとつ。
「水かけてみたら??」
水かけてみたら??
まぁそれもそうだが、あんまり深く考えてなさそうな回答だ。
それでも、もしかしてイモリに変化がないとは限らない。
私はコップに水を入れて、スプーンでイモリにかけてみた。
反応なしEE:AE5B1
もうぶっちゃけ、何の命の息吹も感じられない。
しかし「よもや」のケースがないとも限らないじゃないか。
「イモリ 全然動かない」で検索。「全然」という非常事態で検索し直しだ。
それでも結果は、死んでたの半分、死んだみたいに動かないの半分。
そんな中にひとつ、「イモリは危機を感じると、仮死状態になることがある」というものを発見。
仮死状態。まさにそんな感じである。死んでるとの全く見分けがつかん。
まだ生きている希望を持ち、相談サイトには「水、反応なし」と書き込んで、買い物に出る。
川の水はやめた。
生きている希望は持っているが、実際は怪しいのである。「希望」は私が持ちたいから持っているだけの状態であった。
買い物から戻ると先ほどの回答者から、「冬眠かもしれないから、室温程度に温めたらどうでしょう?」との追加回答があった。
え~!?冬眠~~!?
そんなに寒いとは思えなかったが、まだ赤ちゃんイモリである。体温調節が難しいとかあるかもしれない。
私は大真面目に、ペットボトルの暖房を作った。猫が小さかった時に、よく作ったヤツだ。ペットボトルに熱い湯を入れる。
これをイモリ(の遺体!?)の側に置いた。
変化はない。
回答者からは、「適当に調べて言ってしまいました、ごめんなさい」という返事までもらったが、諦めがつかない。
私は、このイモリを育てたいのである・・・。
変化はない。
今、私は、とっても寂しい。