その前に。
そもそもはその写真を見た時から、ちょっとしたショックはあったのだ。
先日P仲間とビール工場へ行ったが、その時に撮った写真がスマホに送られてきたのだ。
試飲前に乾杯している場面。
テーブルを囲んで、グラスを前に差し出している。
私はその写真で、一番手前に写っていたのだ。なので、ほぼ全身、入っていた。
イスに座ったところを横から撮っているのだが、それを見て私は絶句した。
「なんだ?このタルは?!」
確かに、その写真は嘘をついていないだろう。
思えば暴飲暴食に歯止めがかからなくなってから、長い。
太ったであろうことはボタンやベルトが物語っていたが、体重計には乗らず、現実から逃げていた。
いつでもどこでもお腹一杯、そして何度でも食べた。
起きるなりラーメン、寝る前のラーメン、週末の飲酒、食べ放題、残り物処理。
あらゆる形の暴飲暴食を貪っていたのである。
もちろん、太りたくはない。
いつかはちゃんと考えようと思ってはいたが、それを先延ばしにしていただけだ。
その結果である。当然といえば当然だ。
しかし私は本当に驚いた。
「ちょっとこれっ、私のお腹見てッ!!妊婦さんに見えるよね!?」
そこにいたダンナに見せると、ダンナも「そうだね」と言った。
だいたいにおいて彼はこういう場合、否定もしなければ肯定もしない。「そう?」などとあいまいに濁して逃げるのが常だが、今回はハッキリ肯定した。
これは誰がどう見てもタルなのである。
そして、たまたま、あるいは突然タルになったのではなく、いつの頃からか他人から見たらこのようなタルに成り果てていたのである。
みんなすました顔して、タルと会話をしていたのだ・・・。
そしてこの週末に、バンドメンバーの家で自分たちのライブDVDを見て、私に二度目の衝撃が走るのである。
その映像は2、3年前のものだったが、すでにタルだ。
無様だ。
ロックがタルなんて、掟破りもいいところである。
以前ボーカルがデブという掟破りについて書いたことがあるが、あんなものの比ではない。
ある意味「デブ」は、自然体である。ヴィジュアル的に間違ったところがない。
しかしタルの色んな部分の比率の異常さは、無様としか言いようがない。
まるで昆虫である。カナブンか何かのようであった。
「スーさん、私、太ってますよね?」
私はDVDを見ながら聞いてみた。
「うん。太ってるねEE:AE5BE胸よりお腹のほうが大きいね。」
ガーン。
やはりタルに見えるのは、私だけではなかった。私の過大評価ではなかったのだ。私は少なくとも3年前からタルだったのである。
あぁ、一体、タルで何回ライブをやってしまっただろう・・・。
この後、そのライブ会場でもあるPに行き、矢も盾もたまらずそこにいた常連さんに聞く。
「今一中バンドのDVD見てきたんですけど、私、太ってますよね!?私って太ってますよね!?」
果たして彼は淀みなくこう言った。
「ハイ、太ってますねEE:AEACD」
ガーン。
これで良かったのだ・・・。
いつまでもこんな食生活をしてだらけている訳にはいかない。
ここで気付けたのはラッキーだと思うことにする。
気付いたのなら、次にすることはひとつだ。痩せる努力をする。
私はこれから努力をすることにする。
さしあたって「食べ過ぎない」という消極的なものだが・・・・・・。
EE:AE4DBEE:AE4DBEE:AE4DB余談EE:AE4DBEE:AE4DBEE:AE4DB
「誰かに似てると思わない?」とダンナに聞くと、ダンナは「・・・エル?」と言った。
正解だ。
エルも子猫の頃はやせっぽちだったが、今では「ぽんぽこ」などと呼ばれている。