人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

モーホーノーホー

最初にラッキーを病院に連れて行った時には黄金色の葉をわんさと抱えていたイチョウも、もう半分ほどに散ってしまった。

検査の結果が出る。

努めて結果のことは考えないようにしてきたが、曖昧な状態からは早く逃れたかった。

薄ら寂しくなってしまったイチョウがまるで悪い結果を予感させるようで、気が滅入る。

これまで「ラ」と書いていたこの子の名前は、「ラッキー」である。

姉妹猫「ミュウ」と一緒に我が家に来て11年。

ブログを始めた当初、我が家にはまだこの2匹しかおらず、何かとセットで書くことが多かったので「ラとミ」などと省略していたのだが、これを機会にちゃんと名前で書くことにする。

ラッキーの背中に小さなデキモノを見つけたのは、娘ぶー子であった。背中を撫でていて気がついたのだと言う。

なるほど、言われたあたりを触ってみると、小さな米粒ほどの突起があった。

かさぶたや傷などないので、皮膚よりも内側にできているように思われた。

不吉なデキモノである。翌日、病院に連れて行った。

針で組織を取り、それを検査に出す。

それで結果が出れば良かったのだが、組織が取れず、結果が出なかった方のケースであった。

時間ががどんどん流れていくのが怖い。

今度はこのデキモノ自体を取って、それを検査に出すことになる。

部分麻酔を施すとは言え、意識のハッキリしている猫から体の一部を切り取るのだ。

半日がかりであったが、迎えに行くと、「とてもいい子でした。たくさん褒めてあげて下さい。」と言われ、ひと安心である。

注射のときもそうだったが、ラッキーは非常におとなしい。という意味では「いい子」になるだろう。

単に臆病で縮み上がっているだけだと思うが、検査で絶叫していたエルと比べると、やはり「いい子」と言いたくなってしまう。

その結果が出たのだ。

考えないようにしてきただけに、いざ先生を目の前にすると緊張してしまう。

覚悟なんてできていない。ちょっと待って、と混乱しているうちに先生は言った。

「良性ですね。切除もできてますので、今後の心配もありません。」

うっ、ウルッ。

不安、緊張、恐怖、安心、と一気に押し寄せたため、脱力した。

難しいことは良く分からなかったが、「毛包嚢胞」というもので、腫瘍というより袋のようなもの、とのことであった。

良性ではあるが、放置すれば悪性に変わる可能性もあったといい、早めに発見できたことが幸いした。

考えてみればラッキーとミュウは、もう11歳である。

私の中ではどの子もある程度の年齢で止まっており(ラミが7、8歳、エルは3、4歳、ダイが1、2歳ぐらいという感覚だ)、歳をとって病気をするということに実感がない。

もっと気をつけてあげないと、異変を見逃しかねないということに気がついたのだ。

元気でいることに甘えていた。

反省。