人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

心配事の9割は起こらない / 枡野俊明

人からは「考え過ぎ」と良く言われる。

最悪を想定して備えておかないと、不安なのである。

しかしそんな考えでいると、待ち受けているのは最悪だらけの人生である。

そんな私に「9割は起こらない」と言ってくれるのだ。「ほ、ほんとですか!?」と手にとってしまったのであった。

新品を本屋で買ってしまった(笑)

禅の教えに基づいて、「どう生きるか」を教えてくれる本である。

宗教というと堅い感じがするが、「生きる」ということはとてもシンプルなことなのであった、本来は。

そこに「執着」という邪念が入ると、複雑になってしまう。

「自分」という軸をぶらさずに、ただ、今だけを精一杯生きる。

恐れず、流されず、やり過ごす。

そうすればおのずと心配事など起こらなくなるというのである。

非常に共感するものが多く、面白く読んだ。

どれも簡単に実践できるものばかりなのである。身近に感じることができた。

「他人が自分に対してどう」ではなく、「自分は他人に対してどう」なのか。環境もしかり。

人生は自分が創るものである限り、不幸も幸せも創り出すのは自分である。

あれこれ先を思い煩わずに、失敗したらその時に考えればいい。不安を手放すだけで、気持ちはずいぶんと楽になれるものなのである。

誰だって失敗はしたくないが、きちんと向き合うことができれば、失敗は自分にとって貴重な経験になり得る。考えようによっちゃ、有難いものなのである。恐れることはない。

・・・ちゅーことらしいが(笑)

長年のマイナス思考が染み付いて、そう簡単に切り替えはできないと思う。

それでも、シンプルでハッピーなこういう考え方には大いに共感できるし、こんな風に生きられたら、と願う気持ちはある。

何度も読み返して、自分のものにしていけたらと思う。

もちろん「オススメ!」と大きな声で言いたいが、ひとつ。

この本のターゲットはビジネスマンになっており、職場において、競争社会において、という前提の話も多かった。

そういう世界にいない人には、自分の環境に置き換える努力を要する。

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

「心配事の9割は起こらない」 枡野敏明

三笠書房