人からは「考え過ぎ」と良く言われる。
最悪を想定して備えておかないと、不安なのである。
しかしそんな考えでいると、待ち受けているのは最悪だらけの人生である。
そんな私に「9割は起こらない」と言ってくれるのだ。「ほ、ほんとですか!?」と手にとってしまったのであった。
新品を本屋で買ってしまった(笑)
禅の教えに基づいて、「どう生きるか」を教えてくれる本である。
宗教というと堅い感じがするが、「生きる」ということはとてもシンプルなことなのであった、本来は。
そこに「執着」という邪念が入ると、複雑になってしまう。
「自分」という軸をぶらさずに、ただ、今だけを精一杯生きる。
恐れず、流されず、やり過ごす。
そうすればおのずと心配事など起こらなくなるというのである。
非常に共感するものが多く、面白く読んだ。
どれも簡単に実践できるものばかりなのである。身近に感じることができた。
「他人が自分に対してどう」ではなく、「自分は他人に対してどう」なのか。環境もしかり。
人生は自分が創るものである限り、不幸も幸せも創り出すのは自分である。
あれこれ先を思い煩わずに、失敗したらその時に考えればいい。不安を手放すだけで、気持ちはずいぶんと楽になれるものなのである。
誰だって失敗はしたくないが、きちんと向き合うことができれば、失敗は自分にとって貴重な経験になり得る。考えようによっちゃ、有難いものなのである。恐れることはない。
・・・ちゅーことらしいが(笑)
長年のマイナス思考が染み付いて、そう簡単に切り替えはできないと思う。
それでも、シンプルでハッピーなこういう考え方には大いに共感できるし、こんな風に生きられたら、と願う気持ちはある。
何度も読み返して、自分のものにしていけたらと思う。
もちろん「オススメ!」と大きな声で言いたいが、ひとつ。
この本のターゲットはビジネスマンになっており、職場において、競争社会において、という前提の話も多かった。
そういう世界にいない人には、自分の環境に置き換える努力を要する。
ぽ子のオススメ度 ★★★★☆
「心配事の9割は起こらない」 枡野敏明
三笠書房