人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

殿堂を見る

旅の後半だ。

予定では、もう東京まで来てしまったら「後半」ではなく「帰り道」になっているはずであった。

しかし、東海道線を寝て帰ってきてしまったため、これではフリーパスの途中下車という楽しみがなくなってしまう。

そこでまず、無意味に東京駅で降りた。

建て替えだか改装だかしてリニューアルされたようだが、大して見どころはなかったので残念。

ただ、レンガの古めかしい(古めかしかったものを改装した)建物はホテルになっていて、綺麗は綺麗だ。いつか泊まりたいと思わせる。

この日は誰か要人でも来ていたのか、ホテルから敷かれていたレッドカーペットがしまわれ、大勢の人が駅に向かって帰ってくるところであった。

一体誰だったのだろうか。

つまらん東京駅はサッサと後にして、さて、中央線をどうする?という事になる。

事前に調べていなかったので、その場の思いつきになってしまう。

中央線、中央線・・・。

そうだ・・・EE:AEB80

来る時に通った中野で、「そういえば中野って降りたことなかったね」という会話があった。

理由はそこではなかったが、まさか帰りに降りることになるとはである。

「中野に、オタクの殿堂と呼ばれるところがあるらしい・・・。」

「オタクっ!?」

ぽ子はオタクですか?と聞かれたら、いいえ、オタクではありません、と答えるだろう。

別にオタクを蔑視する気はサラサラないが、ゲームが好きなだけで、オタクとはちょっと趣が異なるのである。

が、しかしひとつ、オタクと共有できる部分がある。

それは「熱烈に好きなキャラクターがいる」ということだ。

古いゲームのキャラなので、グッズなどを手に入れることは諦めていた。

ところが、バーチャル妻を持つ同志が、この「オタクの殿堂」のことを教えてくれたのである。ここなら何かあるんじゃないかと。

このように唐突に行く事になるとは思ってもいなかったので、何の準備もできていなかった。「オタクの殿堂」ってどこにあるの??

携帯で調べると「中野ブロードウェイ」という言葉が出てきた。

私はてっきり「オタクの殿堂」と呼ばれる店があるのかと思っていたが、どうやらスケールは商店街レベルのようである。

駅の北口に出ると、正面に商店街が1本に伸びていた。とりあえずそこを歩く。

吉祥寺の商店街に似ているが、もうちょっと古い感じか。

なんの変哲もない商店街だ。

喉が渇いたのでマックで飲み物を買って店の前のテーブルにつき、道行く人を眺める。

「なんか・・・。」

「ソレっぽい人、多いよね・・・。」

ヤマトのTシャツを着た人、ロリータファッションの子、垢抜けない小太りの青年。

間違いなく、この先にオタクの殿堂はある。

私たちはさらに奥に進んでいった。

やがて「中野ブロードウェイ」という看板をくぐったが、特にオタク的な雰囲気はない。

商店街はさらにレトロ化し、ますます見どころはなくなってきた。

しかし1本道をそれたら、PCパーツやキャラクターグッズを売る店が出てきたのだ。

それにしても、ほんの数軒である。殿堂というには程遠い。

それが。

こんなもんじゃないぞ、中野ブロードウェイEE:AE5B12階からが本気だ。私は異世界を見た。

一言で「オタク」と言っても、いろんなオタクがあるのであった。

アニメ、ゲーム、映画、アンティーク、電車、プラモデル、ラジコン、古いおもちゃ・・・。

その全てが集まっているのではないかと思わせるスケールであった。

それだけに私がピンポイントで求める「FF12のバルフレア」を探し出すのは、非常に困難を極めた。

そもそも古いゲームである。

そして、この広いオタクの世界にあっては、ゲームなどちっぽけな世界なのである。

幅を利かせていたのはワンピース、ドラゴンボール、アニメの女性キャラ。

同人誌の店で「FFシリーズ」というコーナーを見つけたが、そこに描かれるFFのキャラクターは、本物とは程遠く、描き手の思うがままに変形したものであるばかりか、無駄にエロティックであった。

念のため、それは女性向けの同人誌である。

何だかエロ本を立ち読みしているようでいたたまれなくなり、早々に店を出た。

しかしこの異空間、不思議な魅力がある。

もっとくまなく見たかったが、ダンナが若干引いていたのと疲れていたのとで、未練を残したまま後にすることになった。

今度は隠れオタクの娘ぶー子を連れて行きたい。本人もそれを望んでいるとのことだ(笑)

ところで、中野の驚くべき姿はここだけではなかったのだ。

次は武蔵小金井でカレーである。中野の駅に再び向かうが、来た道をそのまま戻るのでは面白くないので、1本横にそれて、平行した道から戻ることにしたのである。

ここがヤバいEE:AEB64

飲み食いどころが満載なのだ。

細い道にギッシリと、洒落た店、渋い店、安い店、焼き鳥屋、バー、立ち飲み屋・・・、物凄い数の店がひしめき合っている。

そのさまは憧れの西荻窪の飲み屋街に似ているが、スケールが違う。クラクラした(笑)

いつか西荻か吉祥寺にボロでいいから別宅が欲しい、と願っていたが、中野に訂正だ。

ああ、中野、なぜこんなに遠いEE:AE473通いたい。通いつめたい。このブログに「中野」のカテゴリーを作りたい。

色んな思いを残したまま、中野を後にした。

中野に思いを馳せつつ、武蔵小金井でカレーを食べる。

いい一日であった。

休日前はガンガン飲むものだと思っていたが、飲まなければ翌日こんなに有意義に過ごすことができるのである。

ところで、2600円で買った休日おでかけパスだが、果たしてもとは取れたのか、パスを使わなかった場合の計算をしてみた。

国分寺~東京→540円

東京~小田原→1450円

小田原~東京→1450円

東京~中野→210円

中野~武蔵小金井→210円

武蔵小金井~国分寺→130円

合計:3990円であったEE:AE46F

東京⇔小田原間を往復するだけで、十分だったのだ。このパス、断然オススメである。

皆さまも、良い休日をEE:AEAAB