この頃、時計が鳴る前に目が覚めるようになってきたのだ。
もう年寄りの仲間入りなのだろうか。
起きる予定よりも30分から1時間前という中途半端な時間で参っているが、「なら起きてゲームやってりゃいいじゃん。」とダンナは言った。
だから起きてゲームをやったのだった。午前6時。
昨日はちょうどボス戦手前でセーブしたので、あとは戦うだけであった。時間的にはちょうど良い。
ところが大切に大切に育てたキャラは非常に強くなっており、ほんの数秒で倒してしまったのだ。
この先に進むには、時間が足りない。
リセットしてもっと条件をキツくして、戦い直した。
逆ならわかるが、なんで敵にサービスせにゃならんのか。
起きてきたダンナは、こんな時間にコントローラーを握っていた私を見ても、さほど驚かなかった。ちょっと情けない。ゲーマー冥利に尽きるが。
朝ご飯も弁当も後片付けもゴミ出しも、余裕である。早起きも悪くない。
しかしだ。
気持ち良く目が覚めたといっても、相変わらず寝つきは悪いし、あんなんで睡眠時間が足りるわけがないのだ。
ダンナが出かけた途端に眠くなった。
寝てしまいたいが、今日はヒトカラの日だ。時間がない。
寝たら死ぬぞ。座ったら寝るぞ。
洗濯機を回し、コーヒーを飲みつつ、さっきのボス戦の下書きをして気分を盛り上げる。
止まるな止まるなEE:AE4E5
洗濯物を干し、衣替えをし、面倒になってペースが落ちたところで昼ご飯、いよいよ眠気もクライマックスだ、早く出かけてしまえ。
どういうタイミングが理想的なのか分からないが、今日は待たずに入れた。スペシャルルーム。
ムードいっぱいの広いその部屋にひとり入ると、合唱団の練習で教わったようにストレッチをしてからアアアアア~~とかマンマンマンマンマ~~と声を出す。
この頃は合唱曲の練習ばかりである。
というのも、私の歌い方に、大きな問題があるからなのだ。
合唱曲を歌うにあたっては、喉に声がかからないように「喉を開いて」歌うように、と言われている。
確かに喉にかかると首が絞まり、歌いにくいばかりでなく声も響かず薄っぺらい感じがする。
しかし喉を開こうとすると、開いただけ多くの空気が出て行ってしまい、息が続かなくなるのである。
みんながアーと声を伸ばしていても、私だけがすぐに途切れてしまう。
指揮のもっきゅんが「もっとねばれ!!」とばかりにグイグイ引くように片手を振る。
死にますEE:AE5B1
どうしてもというなら、次の2拍は吸うためだけに使わせてくださいEE:AEB64
そんなんで肩身の狭い思いをしていたが、みんなちゃんとできるのである。
そして私も、カラオケではこんな思いをしたことがない。
きっとこれは根本的に「合唱的な歌い方」ができていないのだろう、そう思ってこのところヒトカラでは肺活量と戦っているのであった。
気がつくと、眉間にシワが寄っている。
必死だ。必死過ぎる。
一体私は正しいところに向かっているのだろうかと不安になる。
合唱で窒息した人はいるだろうか。
ため息をついては座り、やらなきゃ進めない、と立ち上がる。
ハッキリ分かっていることは、声の響くポイントというものがあり、正しく発声できていればちゃんと息も続くということだ。
ただ、それがどこにあるのかが分からない。
今は息苦しい宝探しの最中である。
家に帰ったらますます眠くなっていた。
十分カロリーは消費した感じだったが、寝てしまいそうなのでWiiFitをやる。
おっ、続いてますね、と思った方へ。
続いてません。
今や単なるヘルスメーターである。
しかし、目覚ましにはなる。
夜はまだまだ続く。