子供の頃好きで、何度も読んだシリーズだ。
しかし今読んでみても小難しい言葉が多く、当時の私が理解していたとは思えない。
それでも元気でやんちゃなマドレーヌに憧れ、繰り返し読んだものである。
パリの寄宿舎に暮らす12人の女の子たち。
その中で一番小さなマドレーヌは、やんちゃで勇敢なちょっとした問題児であった。
そんなマドレーヌが無茶をして、川へ落ちてしまうのだ。
それを助けたのは1匹の野良犬。
みんなはこの犬を連れて帰り、一緒に暮らすようになるのだが、ある日、評議員が寄宿舎を訪れ、犬を追い出してしまう・・・。
犬を取り合って子供たちが寝る時に争う様子など、子供らしさ満載で思わず笑顔がこぼれてしまう。
一緒に暮らした仲間が無理やり追い出されてしまうのである、一大事だ。
前回のろくべえの話に通じるものがあるが、大人の世界の無慈悲にひたむきに立ち向かう子供たち。
まっすぐ育っていていいなぁ、なんて思う。
ところでこの本は、作者が絵も描いているが、当時のパリの美しい景色が満載でそちらも見所になっている。
「マドレーヌといぬ」 ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳・瀬田貞二
1973年 福音社書店