人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

マドレーヌといぬ / ルドウィッヒ・ベーメルマンス

子供の頃好きで、何度も読んだシリーズだ。

しかし今読んでみても小難しい言葉が多く、当時の私が理解していたとは思えない。

それでも元気でやんちゃなマドレーヌに憧れ、繰り返し読んだものである。

パリの寄宿舎に暮らす12人の女の子たち。

その中で一番小さなマドレーヌは、やんちゃで勇敢なちょっとした問題児であった。

そんなマドレーヌが無茶をして、川へ落ちてしまうのだ。

それを助けたのは1匹の野良犬。

みんなはこの犬を連れて帰り、一緒に暮らすようになるのだが、ある日、評議員が寄宿舎を訪れ、犬を追い出してしまう・・・。

犬を取り合って子供たちが寝る時に争う様子など、子供らしさ満載で思わず笑顔がこぼれてしまう。

一緒に暮らした仲間が無理やり追い出されてしまうのである、一大事だ。

前回のろくべえの話に通じるものがあるが、大人の世界の無慈悲にひたむきに立ち向かう子供たち。

まっすぐ育っていていいなぁ、なんて思う。

ところでこの本は、作者が絵も描いているが、当時のパリの美しい景色が満載でそちらも見所になっている。

「マドレーヌといぬ」 ルドウィッヒ・ベーメルマンス

訳・瀬田貞二

1973年 福音社書店