人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ろくべえまってろよ / 灰谷健次郎

続けられるか自信がないが、せっかく読んだので記録に残したく。

残念ながらうちには小さな子供がいないので、読み聞かせて反応をみることができない。

なので大人目線の感想になるが。

脱力系の犬の絵とタイトルに惹かれて、借りてみたのだ。

「まってろよ」というのだ、きっと誰かがろくべえのもとへ困難を乗り越えて向かうのだろう。

感動の予感。

深い穴におちている犬の「ろくべえ」を見つけた、1年生の子供たち。

その穴はとても深いので、子供たちが助け出すことはできない。

大人は取り合ってくれず、途方に暮れる子供たち。

ろくべえはどんどん元気がなくなっていく・・・。

もうね、これを読んで思い出したのは、大人の冷たさである。

彼らは何でも分かっているがゆえに、余計な努力はしないのである。

そのジレンマをリアルに思い出した。

私は時々捨て猫を拾ったりしたが、「飼えない」「捨てて来い」の一点張りで、全くとりつく島もなかった。

飼えないのは分かるが、「私が捨てたらこの猫はどうなるのか」と真剣に悩む気持ちに答えてくれる大人はいなかった。

そんな時、仲間たちと相談し合ってペットショップに電話したり(非常に冷たい反応であった)、1軒1軒家を訪ねて「飼ってもらえませんか」と訪ねて回ったりしたものだ。

こんな時、頼りになるのは「仲間」だけである。

頑張れ、1年生の子供たち!

大人なんかアテにせず、ろくべえを助けてあげるのだ!!

「ろくべえ まってろよ」

作・灰谷健次郎 絵・長新太

文研出版