またこんなんでスミマセンEE:AE4E6
19歳にして一家4人を惨殺した男の人生を追う。
複雑な家庭環境の中で育ち、夜逃げ、両親の離別などを経験してどんどんと歪んでいく犯人・関光彦。
何の接点もなかった女子高生を脅し、後日家に忍び込んでその祖母、両親、幼い妹を次々と目の前で殺していくのである。
そこには何のためらいもなく、捕まっても「未成年だからすぐに出れる」という余裕すら感じさせた。
結局死刑が確定したが、著者はこの男との面会・文通を重ねながら、いつか懺悔の言葉が出てくるのを待っていたことだろう。
しかしとうとう、心からのその言葉は聞くことはなかった。
「なぜ?」という著者の容赦ない問いかけが読み手の気持ちと重なるが、それだけに徒労で終わった感の残る脱力感もひとしおであった。
自らの死が近づく時、彼は何を思うのか。
ぽ子のオススメ度 ★★★★☆
「19歳 一家四人惨殺犯の告白」 永瀬隼介
角川文庫