人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

不名誉の負傷

右スネ。

両肘。

右胸上部。

腰。

左後頭部。

今回の負傷箇所である。

酔ってアザを作るのは毎度の事だが、今回はひどい。

どこも腫れ上がり、広範囲に痛んでいる。

全く覚えていないが、一体どのようなシチュエーションでこんな怪我をするのだろうか。我ながら不思議でしょうがない。

店で転んだとかいう話は聞いていないから、恐らくタクシーを降りてからだろう。

上下前後に散らばっていることを考えると、一度に作った怪我だとは思えない。

全て打ち身だが、例えば、胸の打ち身と腰の打ち身が同時にできることは考えにくい。

また、スネと後頭部、肘と胸などもそうである。

同じ体の後ろ側の、腰と後頭部にしても、頭と腰だけをきれいに打っているのも妙だ。

そこを打つなら、背中全体を打っているはずではなかろうか。

かといって、全部単独で作った怪我なら、タクシーを降りてから家に入るまでの短い距離で合計5回、転ぶか倒れるかしたことになるが、いくら泥酔したといっても、そこまで転ぶだろうか。

家に帰ってからはどうか。

娘ぶー子いわく、私はすぐに玄関でへたばったそうで、その後の事はダンナ任せで知らないと。

しかし玄関から寝室まで、ダンナという保護者もいてそんなに倒れるだろうか。

二日経ったが、頭と腰の痛みが深刻で、動く気になれない。

腰は打ち所が悪かったのか、動くたびにギシギシいい、今にもグキッといきそうな怖さがある。

頭の方は、打った時の衝撃か首全体も痛く、横になればなったで後頭部のタンコブが当たって痛む。

くそー、いったい何があったというのか。

あっちもこっちも痛くて不便だ。

だいたい肘ってどうよ?

なぜ肘なんだ。

後ろに倒れたのか?

なら肘が腰をカバーしても良かったじゃないか。

怪我は自業自得なので仕方ないが、どうしたらこんな怪我をするのかが不思議でしょうがなかった。

私は色々考えた。

5回も転んだとは思いたくない。しかも前にも後ろにも。

いや、、転んだのではないだろう、膝ではなく、スネを打っている。

そして右胸上部。

いくら私の胸が小さいからといって、まず当たるのがその上というのも不自然である。

私は考えた。

最小の転倒回数で、このような打ち身を作る方法。

あったぞ・・・。

階段だ。

上るときに前に倒れればスネも胸も打てる。

そして下るときに踏み外せば、腰と後頭部と肘を同時に打つことができるのである。

体の前後を打っているので最低2回は倒れているとして、階段を利用すれば、たったの2回で5ヶ所の打ち身を作ることができるのである。

ただ最大の疑問は、「上り」は分かる、寝るために2階の寝室に上がるだろう、しかしその後、また下りるか??

泥酔して寝ていたのである。

ベッドに入ればもう当分起きるとは思えない。

そんな大きな物音を聞いた人はいないし、そんな衝撃的な出来事が二度もあったら、私自身、ちょっとぐらい覚えていても良さそうなものである。

原因が原因なだけに誰にも同情されていないが、こんなことは初めてではないのだ、今後も起こることが想定される。

私は本気で、本気で、飲酒とヘルメット装着をセットにすることを考えている。

この場合、問題になるのは羞恥心ではない。

「ヘルメットをかぶる」という能力が残されるかどうかである。

追加:右アゴ痛い。