右スネ。
両肘。
右胸上部。
腰。
左後頭部。
今回の負傷箇所である。
酔ってアザを作るのは毎度の事だが、今回はひどい。
どこも腫れ上がり、広範囲に痛んでいる。
全く覚えていないが、一体どのようなシチュエーションでこんな怪我をするのだろうか。我ながら不思議でしょうがない。
店で転んだとかいう話は聞いていないから、恐らくタクシーを降りてからだろう。
上下前後に散らばっていることを考えると、一度に作った怪我だとは思えない。
全て打ち身だが、例えば、胸の打ち身と腰の打ち身が同時にできることは考えにくい。
また、スネと後頭部、肘と胸などもそうである。
同じ体の後ろ側の、腰と後頭部にしても、頭と腰だけをきれいに打っているのも妙だ。
そこを打つなら、背中全体を打っているはずではなかろうか。
かといって、全部単独で作った怪我なら、タクシーを降りてから家に入るまでの短い距離で合計5回、転ぶか倒れるかしたことになるが、いくら泥酔したといっても、そこまで転ぶだろうか。
家に帰ってからはどうか。
娘ぶー子いわく、私はすぐに玄関でへたばったそうで、その後の事はダンナ任せで知らないと。
しかし玄関から寝室まで、ダンナという保護者もいてそんなに倒れるだろうか。
二日経ったが、頭と腰の痛みが深刻で、動く気になれない。
腰は打ち所が悪かったのか、動くたびにギシギシいい、今にもグキッといきそうな怖さがある。
頭の方は、打った時の衝撃か首全体も痛く、横になればなったで後頭部のタンコブが当たって痛む。
くそー、いったい何があったというのか。
あっちもこっちも痛くて不便だ。
だいたい肘ってどうよ?
なぜ肘なんだ。
後ろに倒れたのか?
なら肘が腰をカバーしても良かったじゃないか。
怪我は自業自得なので仕方ないが、どうしたらこんな怪我をするのかが不思議でしょうがなかった。
私は色々考えた。
5回も転んだとは思いたくない。しかも前にも後ろにも。
いや、、転んだのではないだろう、膝ではなく、スネを打っている。
そして右胸上部。
いくら私の胸が小さいからといって、まず当たるのがその上というのも不自然である。
私は考えた。
最小の転倒回数で、このような打ち身を作る方法。
あったぞ・・・。
階段だ。
上るときに前に倒れればスネも胸も打てる。
そして下るときに踏み外せば、腰と後頭部と肘を同時に打つことができるのである。
体の前後を打っているので最低2回は倒れているとして、階段を利用すれば、たったの2回で5ヶ所の打ち身を作ることができるのである。
ただ最大の疑問は、「上り」は分かる、寝るために2階の寝室に上がるだろう、しかしその後、また下りるか??
泥酔して寝ていたのである。
ベッドに入ればもう当分起きるとは思えない。
そんな大きな物音を聞いた人はいないし、そんな衝撃的な出来事が二度もあったら、私自身、ちょっとぐらい覚えていても良さそうなものである。
原因が原因なだけに誰にも同情されていないが、こんなことは初めてではないのだ、今後も起こることが想定される。
私は本気で、本気で、飲酒とヘルメット装着をセットにすることを考えている。
この場合、問題になるのは羞恥心ではない。
「ヘルメットをかぶる」という能力が残されるかどうかである。
追加:右アゴ痛い。