「ぽ子さん、私とひとつしか歳、違いませんでしたよね?それってもしかして、こ・・・、」「違う違うシーッ!!言わないで!!ダメ!!」
歯医者で、助手をしている先生の奥様との会話である。
口の中の不調を話したら、「こ」なんとかと言いそうになったので急いで抑え込んだが、実はあながち外れてもいない可能性もあるのだ。
味覚障害についての詳しい結果は、来週耳鼻科の方で出るだろうが、恐らく原因は簡単には特定できないのではないかと思う。
精神的なもの、年齢的なもの、食生活、病気、きっかけは実に色々あるのだ。
そこで助手の奥様はその可能性のひとつ「こ・・・」を出したのだが、まだそれに対峙する心の準備ができていなかったのだ。
味覚障害について調べている時にも、「こ・・・」の可能性はチラホラ書かれてはいた。
しかしその線はスルーしたのだ。
何の根拠もないが、そんなはずはない、以上である。
それにしても、昨日今日と、不調である。
この季節になるとどうもこのようにバテる日が続くが、こちらも原因不明のままなのでただ伸びているだけであった。
熱があるような感じでも、風邪っぽい感じでもない。
ただダルい。ひたすらダルい。
お酒は控えているのに、この有様だ。だから今夜は飲むことにするが、いっそ熱でも発疹でも出てくれれば潔く病人になるのに、中途半端で面倒な状態である。
そんな私にダンナはサラッと言った。
「更年期障害じゃないの??」
ギャー、言っちゃった、言い切っちゃった、まさかアナタの口からそんなものが出てくるとは思わなかったから、こちらも油断して言わせてしまった。
実は先の助手の奥様は、更年期障害でホルモンバランスが崩れて、大変な思いをしたそうだ。
ダルくて動けないなんていかにもの症状だが、そのレッテルを貼られたくなくてしらばっくれていたのである。
これまでは体に不調があればすぐにパソコンで調べていたが、これだけはまだ検索していない。
更年期障害。
まだ「貧血」に望みをかけている。