寝ている場合じゃない、カラオケだ。
今日も早速眠かったが、リサイクル紙類をまとめて出して布団を干したら、さすがに目が覚めた。
そうか、二度寝をしないためには毎日カラオケに行く予定を立て、布団でも干せば良いらしい。
また次のライブの予定が入った。
できるだけコンスタントに歌う練習をしたかったのだが、どうやら近所のカラオケボックスが、水曜日にレディースデーと称して安く利用できるらしい事を知った。
なかなか忙しくて行けなかったが、本気で練習するなら優先順位を上げなくてはならない。
しかし、こういうものの優先順位とは、つけにくいものである。
洗濯>カラオケ。
掃除>カラオケ。
買い物>カラオケ。
二度寝>カラオケ。
ゲーム>カラオケ。
・・・という訳で、せっかくのレディースデーにも行く事ができなかったのだ。
ではなぜ本日、それが叶ったのかというと、外から圧力がかかったからであった。
「カラオケ行きたいEE:AE595」
我が家のニートが、「しつこい」のギリギリ手前まで迫ってきたのである。(「しつこい」に踏み込むとどういう事になるのか、彼女は良く知っている。)
金がないのだ、カラオケも寄生する他ないのだろうが、今は面接の結果待ちである。もしかしたらこうして一緒に水曜日にでかける事も当分できなくなるかもしれない。
カラオケ代を施してやることにした。2時間580円。
外は気持ち良く晴れ渡り、気分も爽快だ。
こんな日は・・・、言っちゃダメ、言っちゃダメ!!我慢できなくなる・・・。
「・・・飲みたい。」
ああ、ビールが飲みたい!!
こんな初夏の昼下がりにビール飲みながら歌を歌えたら、どんなに気持ちが良いことだろう。
しかし娘ぶー子はこんな時、決して止めはしない。面白がるように「飲めばいいじゃん。なんで我慢するの?」と言うのだ。
そう言われると迷いが出るのが、私のような小心者である。てめぇで飲みたいと言っておきながら、いざつきつけられるとビビるのである。
あぁ、でも飲みたいなぁ・・・。
カラオケボックスは満室であった。なんだ?この世界。
レディースデーだからなのか、圧倒的に女性ばかりだ。正確に言うと、年配の。
「こんな世界があったとは・・・。」ぶー子と絶句して、ロビーで順番を待つ。
15分ほどで案内されたが、いざ歌おうと思ったら、別のバンド用の歌詞を持ってきていたことに気がついた。
・・・終わった。
そして、普通のカラオケ大会が始まったEE:AE4E6
かと言って無駄だったかといえば、そんな事はない。酒なしで歌うという練習にはなった。
どれだけ妖精さんの力に頼っていたんかい、私は。
どれだけビビリなんかい、私は。
どれだけシャイなんかい、私は。
酒がないというだけで、こんなにも違うとは。
自信を持って歌えないと、声が腹から出ない。どれだけ腹に込められるかが、自信のバロメーターである。
喉が痛いEE:AEB64
うがいをしながら(その後ゴックン)歌ったが、一体、飲みながら歌うのとどっちが喉にダメージがあるのだろう?
こうも酒に左右されるとは、歌の技術というよりも、メンタル的な問題のような気がしてくるものである。
私に足りないのは、自信と勇気だ。
2時間でカラオケボックスを出たが、外はまだ明るく、ビール日和であった。
早速私の心は揺れたが、昔話に出てくる馬鹿者並みに誘惑に弱い人間である。
日は落ちた。
そして、次の誘惑の波が押し寄せてきている。