「ぽ子さん、爪をキレイキレイしてみませんか!?」
ネイリストの妹さんを持つピアニスト・まゆちゃんから、ある日突然のメールであった。
妹さんが練習したいとの事だが、こっちにしてみればタダで爪を綺麗にしてもらえるという事である。
爪。
そりゃあ私も一応オンナである、そんなことがしてもらえるならありがたくお願いしたいが、そこには少々ネックがあった。
まず、普段から爪はほったらかしのノーケア、その上もともと丸くて小さい爪なので全く色気がないのである。
見せるような人もおらず、つまり「ネイル甲斐のない」爪であり、いくら練習と言えど妹さんに申し訳ないような気持ちであった。
しかしオンナだ。反射的にお願いしていたのである・・・。
だが葛藤は続いた。
この爪にネイルアートなど施す余地は全くない。
爪が丸いのだ。それが人にイメージさせるものは、幼稚さだとかオバサン臭さだとかであり、その間の一番女性らしい時期は当てはまらないのである。
私は爪を見て、ここに色がのったところを想像してみた。
まるでタイトスカートを穿いた小学生か、ショートパンツの老婆である。
やってできない事はないが、そぐわないのである・・・・・・。
そこでひらめいたのが、娘ぶー子の存在であった。
毎晩のように遊び歩いているのでいるのかいないのか分からないような存在だったが、そうだ、21歳ぶー子は現在アパレル勤めであり、お洒落でいることはある意味必須なのである。
ぶー子に話すと大いに興味を持ってくれたので、彼女にお願いする事にしたのであった。
河辺、という駅で初めて下車したが、そこはぶー子が毎晩遊び歩いている悪友の実家があるところでもあった。
不思議な気持ちで妹さんの家に向かう。
感心したのはネイルの技術だけではなく、会話がとても滑らかなところもまたそうだ。
柔らかく、嫌味がなく、気遣いが伝わってくる。
きっと良い接客をするのだろう。
見ていたら面白そうなので自分もやってみたいと言うと、「練習すれば誰でもできますEE:AEACD」と言って、色々丁寧に教えてくれた。
私も色々丁寧にやってみようと思うぞよEE:AEB80
せっかく来てくれたのに、と言って私の爪もチャチャッと形を整えてくれた。
これでお別れである。
彼女とは去年バーベキューで会っているが、近いうちにまた会える事を願う。
「オンナ度、上がったっしょEE:AE5BE」
ドスのきいた声でぶー子が言う。
オンナ度は上がったかもしれないが、爪だけではいい女にはなれないのだ、ぶー子よ。
その爪に似合う女になってくれ。
出してくれたお茶は、このような状態。
「粉が飛ぶので・・・」との事だが・・・?
粉、飛びます!!
まずは爪の形を整える。
それだけでも、このような上品な指に変身!
甘皮の処理をして・・・。
こんな感じ。ガオッ。
短い親指の爪は・・・。
なんと、作る!!
スカルプチャーという技術らしい。
ベースジェルを塗る。
乾かす。
とにかく、塗って、乾かしての繰り返しだ。
いよいよ色が入る。
ちなみにこれはマニキュアと違い、ジェルと言うそうで、乾かせばすぐ固まるとのこと。
色は自由に選ばせてくれました^^
ぶー子のチョイスは赤とグレー。
ラメでラインを入れてもらう。
真剣だが、会話にも気を遣ってくれる妹サン。
中指にワンポイント☆
周りもキラキラで、宝石のようだ。
はがれにくいように、コーティング。
反対の手にも、ワンポイント。
完成!
こんなに綺麗に。
大変だったと思います。
どうもありがとうございました!