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・・・という事で、6時半に起きてブログの更新をし、ひとゲームやってから練馬のラーメン屋さんに向かったのであった、昨日。
時間もあるからついでにちょっと歩く事にして、鷺ノ宮までウォーキング。
それにしても、犬も歩けば棒に当たる、人も歩けばブックオフに当たる。
ダンナは今、古い洋楽の安いDVDを探しているのだが、ブックオフを見つけたらとりあえず入る事にしているのだ。
そしてめぼしいものは見つからず、代わりに私が古本を2、3冊買って帰るということを繰り返している。
昨日もそのパターンだったのだが、私の手には「ドストエフスキー」という頭の良さそうな人が買いそうな本が握られていた。
言葉そのものを楽しめないのであまり翻訳ものは好きじゃないのだが、全く読まない訳ではない。
その時はダンナの通勤用の別の本を探していたのだが、なぜか「こんな本を読むと思うなよ」と反抗的な気持ちで手にしてしまったのだ、「罪と罰」。
ちょっと長いが、105円も出して私を買う気にした、あらすじを載せる。
鋭敏な頭脳を持つ貧しい大学生ラスコーリニコフは、1つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に居合わせたその妹まで殺してしまう。
この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識に怯えるみじめな自分を発見しなければならなかった。
「・・・っていう話なんだって。面白そうでしょ??気になるよね。」
店を出て歩きながら、早速私はこの本のことをダンナに話した。
しかし人の金で平然と買ってきたのだ、バツが悪かったので「でもつまらないかもしれないから、上巻しか買わなかったよ・・・。」と付け加えておいた。
少し考えてからダンナが何かを言おうとした時、私もそのあらすじの矛盾点に気がついて先回りして言った。
「一つの罪が百の善行でチャラになるなら、妹の分も百として、200回の善行でいいじゃんね。」
「そうそう。でもさ、最初に殺した老婆は悪い人だったんでしょ??だったら殺した事によって救われた人が何人もいるんじゃないか?となると、その時点ですでに100を切っている。」
「逆に、妹が生きていれば幸せになれた人がいたかもよ?その人の分を入れると100じゃ足りないのか??」
つまり、単純に「罪1=善行100」とはいかないんじゃなかろうか。
「・・・その辺の公式はどうなってるのか、この本に書かれているのかもしれない。」
「もしかして下巻は、数字ばっかりだったりして。こういう人を殺した場合の善行の割り出し方マニュアルみたいな。」
「平凡な人ほど単純な数式で、極悪人の場合は・・・、ルートとか出てきてもう大変。」
果たしてラスコーリニコフの罪は、いくつの善行で償われるのだろうか。
鷺ノ宮に着いたら我らが久米川に向かったが、それでもまだ時間は余っていた。早起き、恐るべし。
なので、サイゼリアでちょっと飲む事にした。
家のワインの在庫が切れているということで、ボトル二本分の大きさを誇る「マグナム」を注文し、残った分は持って帰る事にしたのだ。
しかしあっという間に残りはわずかと迫ってきた。
帰ろう。
ここで飲み切ってしまったら、家で飲む分がなくなってしまう。
ところで私は、家を出てから一度もトイレに行っていなかった。
ダンナに言われるまで気づかなかった程だが、出発したのが10時、その時点で4時。
また歩いて帰るのだ、一応トイレに行く事にした。
しかしズボンを下ろそうとして、青ざめた。
昨日穿いていたズボンのウエストは、ベルトやゴムで締めるようなタイプではなく、紐だったのである、ヒモ。
どこのスボンじゃ安物め、と言われそうだが、ユニクロだ、正真正銘の安物である。
そしてこのヒモのせいで私は、何度も青ざめてきたのだ。
脱ごうとすると時々、固結びになってるのである。
それでもこれまでは、何とかほどいてやってきた。慎重にやれば、何とかなってきたのである。
しかし今回はガッチリと固く結ばれており、ビクともしない。
脱げないと思った途端に尿意を催してきて、ここに焦りが加わった。
ダメなことに時間をかけても仕方がない、方法を変えなくては。
私はトイレを飛び出し、立ったまま「ヒモが取れない」とダンナに訴えた。
私達は酔っていたのである。
テーブルを挟んで立ったまま、ダンナは私のズボンのヒモをほどこうと頑張った。
良く小さな子供が、親にこんな風にされている姿を見るような気がする。
恥を晒したのに、ヒモはビクともしなかった。
そこでダンナは爪楊枝を持って来たが、すぐにボキッと折れてしまった。
しかしこれで若干結び目が緩んだようで、やがてヒモは解けてくれた。
その間もずっとテーブルについてズボンのヒモをモジモジいじっていたのだが、解けた途端にトイレに直行だ。
成り行きを見ていた人には、私の身に何が起こっていたのか、一目瞭然だったことだろう。
残り少ないワインを飲みながら、歩いて家まで帰った。
疲れてしまい、昨日も早く寝てしまった。
何とも早寝早起きな週末であった。
しかし、悪くない。
さて、今夜の飲み会にはこのヒモズボンを穿いて行くが、何事もなく帰れる事を祈る。