タジン鍋を焦がしてしまったEE:AEB64
やれバレンタインだ、スペシャルだと、早速タジン鍋にする事にしたのだが、早速焦がしてしまった。
焦げたなんていう生易しいものではない、こんがりだ。
そもそもタジン鍋は、野菜なんかを蒸すのに適していたようだが、私が作ったのは牡蠣飯だ。
米を炊くのである、難易度が高かった。
しかし、レシピはあったのである。
「タジン鍋はご飯を炊くには適していませんが、水の量、火加減、時間を守れば美味しく炊けます。」と書いてあったのだ。
だから私は軽量カップと大さじ小さじをしっかり使ってキッチリ計り、タイマーもセットしてレシピ通りに従ったのである。
しかし焦げた。こんがりと。
そもそも炊く前にその鍋で、牡蠣やら野菜やらを炒めたのだが、その時点で焦げ始めていた。
こんがりという程ではなかったので、あくまでもレシピに忠実に、焦げも落とさずにそのまま米を炊いたのである。
13分という半端な時間もタイマーにセットし、妻の出産を待つ夫のように鍋のそばでウロウロしていたのだが、やがて焦げ臭くなってきた。
迷ったが、普通に米を炊いたって「おこげ」などといって重宝されている部分があるじゃないか。
私はタイマーが鳴るのを忠実に待った。
どんどん焦げ臭くなってきたが、レシピが13分と言うのだ。
そして時間と水分と火加減を守れと。
私は試されていた。
ここで火を止めたりしたら、全てが水の泡となるのであろう。
私はこう見えてもしぶといのだ。
守ると言ったら守るのである。
しかし完成品は、とても美味しそうに仕上がっていた。
これで良かったのだ。
この牡蠣ご飯の底部がきっと、香ばしく貴重なおこげとなっているのだろう。
スプーンでご飯を掬ってみると、ガリッといって真っ黒いコゲが姿を見せた。
・・・酷いEE:AEB64
犬も歩けば棒に当たる、さじで掬えばコゲばかり。
うわっつらだけ食べたが、その部分が美味しかったのは不幸中の幸い、タジン鍋の手柄であろう。
しかしこのブ厚い焦げ、取れるのだろうか。
実は「タジン鍋の使い方」をネットで検索していた時点で、鍋を焦がした話は結構出ていたのだ。
なのであまり悲観してはいなかったのだが、誰もが示し合わせたように口を揃えて「重曹を」と言う。
ウチに重曹など、ない。
過去にも掃除に重曹という話は時々聞いたが、その江戸時代風の言葉の響きに説得力がなく、我が家では「マジック」やら「キラー」などという名のつくいかにも効きそうなものばかりを買っていたのだ。
ここへきて重曹だ。どいつもこいつも。
嘘ではない、何ならタジン鍋の焦げで、検索してみるといい。
やっと見つけたその他の方法は、「慌てて水に漬けたりせず、」ヒッ、急いで水から出す、「焦げが隠れるほどのお湯を湧かして、こそげてみましょう。」という、重曹の前に誰でもやりそうなものであった。
その後に「それでも落ちなかった場合」という追記があり、「米ぬかせっけんを入れて加熱」となっていたが、重曹以上に馴染みのないものである。
結局湯を湧かしてこそげただけで結構落ちたが、もう一息である。
朝になってすぐにでも重曹を買いに行きたかったが、それはできないのである。
財布の中身が70円なのだ・・・。