「ヴァーーーーーー!!」
「ゴゥオッ!!」
「ぼえ~~~~~~!!」
・・・窓を開けてバランスボールに乗らない方がいい。
それから、バランスボールをナメない方がいいかと。
とにかく歌のためになるならなんでもやってみようと色々やっているが、これもその一環である。
声が出せないので現状でできるのは腹筋背筋を鍛える事と、腹式呼吸を身につける事ぐらいである。
足上げ腹筋(上がりきらないので「腹k」ぐらいである)ぐらいしか思いつかず、物足りないのでバランスボールに乗ってみたが、相当難易度が高い。
買った当初こそみんなにちやほやされていたボールだが、その難易度の高さから、今ではダンナのパソコンチェアに成り下がっていた。
足をつかずに座っていられるのは、ものの1、2秒である。
座る、というか、足を上げた「瞬間」だけだ。バランスもクソもない。
しかし足を上げると途端にグラリと転げそうになるので、どこかにつかまるか足をつくかするしかないのである。
これではバランスボールではない。安かったが、まがいものだったのか。
しかし娘ぶー子は涼しい顔で普通に乗っかっている。
調子に乗って時々引っくり返っているが、つまり、これは一応やはりバランスボールであり、乗れないのはこちらに原因があるという事である。
バランスボールに座る事ができれば、腹筋を始め、体の下半分の筋肉を強化できるらしい。
腹筋が強化されれば、スティーブ・ペリーのような声が出るかもしれないのだ。
私は勇気を出して、再び座ってみたのであった。
「偶然の3秒」ぐらいが関の山だったのが、時々10秒ぐらいなら座れるようになってきた。
「努力は人を裏切らない」と言っていた人がいたが(私も偉そうにぶー子に言ったことがある。それに対する返事は「良くある言い回しですね」であった)、努力は報われるのである!!
できればバランスボールでその事実を知りたくなかったが。
ビビッてはいけない。
座るのだ、そして足を上げるのだ。
厳密に言うと私はビビリなので上げた足はボールにピッタリ張り付いていたが、ビビッて前傾するとダメだ、勇気を出してお尻を後ろに突き出すのだ。
お尻だけを突き出す感じである。我が家ではこういうのを「プリケツ」と言うが、その方が安定しやすい。
要は技術と勇気である。
思ったより奥の深いボールである。私のビビリもこれで少しは治るかもしれない。
このボールを買おうと思ったのは、体力作りというのがもちろん第一の理由だが、ただの体力作りではすぐに飽きることが目に見えていた。
ならば始めから飽きる前提で、「イス」として使えればいいじゃないかと思ったのである。
いや、本来はただのイスではなくテレビを見ながらなど「ながら」ができれば飽きても続けられると思ったのだが、冗談じゃない、ながらなんてとても無理だ。
コイツに100%注ぎ込まないと、痛い目を見る事になる。とんだじゃじゃ馬だ。
そんなじゃじゃ馬を手なずけてみたくなった。
バンドのタケダ兄さんは、女はじゃじゃ馬タイプが好きだと言っていたが、こんな気持なのだろうか。
でも兄さんが丈夫なのは、腹筋じゃなくて腰だったりしてEE:AEB80