人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

アホに生まれて1年半。

大五郎1歳半、やはりまだアホのままである。

  

アホのくせにとんだ俺様野郎で、抱かせない、撫でさせない、イタズラばかりする困った野郎だ。

この頃めっきり寒くなってきたが、アホも布団に入ってくるのだろうかと思ったら、入ってきた。

またそこがアホっぽいのだが、先に布団に入って横を開けてやったら、アホだからすぐにかかったのである。

しかしアホだからすぐに出てしまう。

ここで寝れば暖かいのに、そう思い、ある時私は布団から出ようとする大五郎の頭を(アホだから何度でもかかるのだ)ゴシゴシと撫でてみた。

体を撫でるとひっくり返って噛み付いてくるのだが、頭は気持ちが良いらしい。どの子もそうだ。

アホだからすぐに気持ち良くなって寝てしまった。

こうして毎晩私は大五郎を布団に誘い、出ようとするところを頭を撫でて寝かしつけるようになったのである。

昨日もいつものように布団をまくると大五郎は「おや?なんだろう?」と入って行き、布団の中でグルッと回って出ようとしたので、頭をゴシゴシ撫でたのだ。

いつものように「何だか急に気持ち良くなってきたぜ」と目を閉じ、徐々に体を伏せていき、私の腕枕でフーと最後のため息をついた。

よほど気持ちいいのか、喉をゴロゴロと鳴らしている。

そうなると急に手を止めるのも気の毒なので、片手でダイを撫でながら本を読む事にした。

本と言ってもそれは携帯の説明書である。

面白いものではないが、電話とメールとカメラしか使えないような生活からいい加減脱したいのである。

かと言ってパケ代は極力抑えたいので、純粋な携帯電話的機能の話だが。

しかし「携帯電話」とは言っても、ついに私の携帯にもついたのだ、ワンセグが。

これが、音を出すことができずにチャップリン状態である。

なので、取り説ぐらいは読まないと、と思った次第である。

それでも夢中になって読んでいた。

携帯は進化していた。

そもそも初めて出会った携帯ですら使いこなせていなかったのだ。

マイナスからのスタートで何も努力しなかったため、どんどん新しい機能に置いて行かれている状態である。

自分の携帯を「凄い」「凄い」と褒め称えながら(念のため、ごく一般的な携帯である)、時間が過ぎていった。

何か不快だと思ったら、腕だった。

夢中になって読んでいたから忘れていたが、ずっとダイを撫でていたのでかなりダルくなっていた。

そろそろいいだろう、そっと手を引きながらダイを見ると、は?

ダイの頭から顔から、粉だらけである。

ふ、

フケ~!!

ダイは顔中フケで粉だらけになりながらも可愛らしく喉を鳴らしていた。

アホめ、何をやってもアホなオチだ。

考えてみれば生まれてこのかた、一度も風呂に入れていない。

暴れる事は目に見えてるし、室内飼いだ、無理に洗う事は無いとナントカさんも言っている。

風呂と言えば、エルはEE:AE4F5にまみれた1回だけ、ラとミも2、3年に一度入れるかどうか。

今後も積極的に入れるつもりはないが、まさかあれほどのフケとは。

ダイは黒いから、ゴミや埃がつくととても目立つ。

黒い服の手入れが大変なのと同じだ。

アホがいつもゴミくっつけて歩いてると思っていたが、それは黒いから目立つだけでアホだからではない。

みんな同じように汚れ、モップみたいになっている事だろう。

しかし、フケまみれになって寝ているダイは、無条件にアホである。

大人しくしてれば一番きれいな子なのに(笑)