人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

その先にあるもの

とにかく運動が苦手だ。

以前は「嫌い」であったが、まぁ苦手なりに楽しいスポーツもある事を知った。

そんな私が過去に関わったスポーツはスキーと空手、遊びとしてのバトミントン、バスケ(総勢6人以上でやった事がない)ぐらいである。

中でも「走る」「登る」は相当の苦痛を伴い、ジョギング・マラソンの類や登山は苦行と言っても過言ではない。

自慢じゃないが、学生時代のロードレースはビリから2番目、その後はほとんどサボり、遠足の山登りは最後に保健の先生と歩いて行くという屈辱。

どちらもゴールでは拍手喝采だったが、嬉しくなんかない、悔しいのと恥ずかしいので涙が出そうであった。

 

一応言うが、今、高尾山を登るのはビヤガーデンがあるからであり、食べ飲み放題のチケットとして仕方なく登る事にしているだけだ。

コースも比較的緩いからできるのだが、それでも登りは喘息の患者のようにひとりでゼーゼー言っている。

部活もランニングがキツくてついていけずにすぐに辞める繰り返しだったが、もしかして私は虚弱体質なのだろうか?

 

 

その日私達は、隣町に住む親戚の家にお呼ばれしていたのだ。

呪いの言葉を吐きながら息を切らせ、駅のホームに続く階段を上った。

クソッ、忌々しい上り階段め、本当にダルくて疲れる。

この先にビヤガーデンでもあれば頑張るが、なぜエスカレーターがないのだひばりヶ丘駅。

 

ダンナの伯母の家に着くと、たくさんの料理と酒が用意されていた。

親戚との食事など得意なジャンルではなかったが、このご夫婦は話が楽しいし気楽に過ごせるように気を使ってくれるので楽しく過ごす事ができた。

やはり今回も伯父のマラソンの話になったが、とにかく伯父は良く走る。

出勤前、仕事の帰り、休日はどえらい長距離を、そしてマラソン大会にも良く出ている。

この間は北海道まで行って、100キロマラソンに挑戦したらしい。

時間制限に間に合わず70キロでリタイヤしたらしいが。

 

それでも70キロである。何時間走ったんだ?

私は心底驚いた。

なんでそんなにこの人は走るのだろうか。

苦しいだけのマラソンの、どこに楽しみがあるのか?

伯父だけではない、世の中にはたくさんのランナーがいる。

全く想像がつかないが、そこには何か止められない楽しみがあるはずなのである。

 

 

 

 

 

 

 

それを知りたくなった。

 

 

今日でまだ3日目だ。

どうせ長続きしないと思うので定着するか止めるまで隠しておくつもりだったが、いまさら三日坊主を恥じる段階でもない事に気付いたので、カミウングアウトした次第である。

 

今のところの感想は、別に走ること自体は全く楽しくはない。

しかし、終わってみると早くまた走りたくなるのである。

それは「走る楽しみ」ではなく、単に「記録の更新」という楽しみだが、まだ始めたばかりで慎重に走っているので、簡単に記録が更新できてしまうからだと思われる。

立派ね、凄いわね、と言われると恥ずかしいので白状するが、初日はたったの1キロ、前回と今回は1.5キロである。

 

それでもタイムが縮んだり距離が伸びたりするのは楽しい。

何だか健康的な事をしている安心感もある。

しかし走っている間はキツい。

このところ涼しかったが、暑さが戻ってきたら走れるのだろうか。

 

 

 

まだ続ける自信はないが、不思議と早く走りたいのであった。