人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

グッバイ・カモミール

眠れん。

さっぱり眠れなくなってしまった。

原因は色々あるだろうが、どれもこれも元から断つのが難しい。

そのひとつが二度寝だが、眠れないから眠くなるのである。

しかしもう夜明けを見るのは御免だ、今日の仕事は「二度寝をしない」、これひとつに絞るぐらいのつもりで布団から出たのだが。

当然眠い。

二日目だ、昨日の比ではない。

眠くて眠くて眠くてたまらない。

たまらないのである。

たまらないぐらい眠いのである。

そんなんで、頭も体も回らない。

ダンナが出かけて行くと、吸い寄せられるようにソファに座り、吸い寄せられるようにあちらの世界に行ってしまった。

あっと言う間である。

なぜこの特技が夜に使えない?

しかし、心のどこかで爆睡はまずい、という気持ちがあり、ちょいちょい目が覚める。

覚めても眠い。

これはもう、何かが起こらないと起きれない、そう思ったら何かは起こった。

娘ぶー子が起きてきたのである。

朝ご飯はいらないというのでやる事もなかったが、寝ていた後ろめたさで饒舌になる。

それで少しずつ覚醒したのであった。

この程度なら許容範囲だろう。今夜の睡魔に期待だ。

しかしぶー子が出かけて行くと、シュルルルル・・・と空気が抜けるように、何もする気がなくなった。

眠っている間に小僧が抜いてくれるはずの水分が、まだたっぷり体に残っている感じである。

眠れなくなるたびに新しく作戦を立て、しばらくそれでしのいでいるが、今は「カモミールティー」なるハーブティーを飲んでいた。

しかし、これはハズレだったことが証明されたのだ。

ドラクエでHP回復に使われる薬草を煎じたらこんな味がするだろう、カモミール。

ティーバックを開けるたび、そして最初の一口の前に必ず、「臭いEE:AE4E5」と言うのが習わしで、不眠は治らなくとも体の不調のどこかが自然と治りそうな味であった。

カモミール。

もうあれを飲まなくていいと思うと、ちょっと嬉しい。

その代わりに、拠り所がなくなった。

いや、あるにはある。

酒だ。

そもそも発想が逆である。

寝るために飲むのが酒なのではなく、飲まなくなったら寝れないのが酒なのだ。

ここで飲んでも、根本的な解決にはなりはしないだろう。

「体が疲れてないのでは?」というコメントを頂いたが、これは一理ある。

疲れる努力をしてもダメだったら、もう茶だの読書だのの民間療法には見切りをつけて、いよいよ西洋医学の力を借りようかと思う。

それにしても、どうやって疲れようか。

今なら格安で、ビリーのブートキャンプに入隊できそうだが。