mixiというものがどれ程世の中に浸透しているかは分からないが、一応私も数年前に登録してある。
別に何かをしようと思ったのではない。
友人が日記をアップしているというので、コメントを入れるために登録したのである。
現在もそのスタンスのまま、ただコメントを入れるためだけに私はそこに存在している。
こんなんでもちょこっとばかり友人が増えたのが、mixiのすごいところだ。
相変わらずコメントを入れる以外は消極的にmixiライフを送っていたのだが、そんな地味な私のところに、驚くべき変化が起こっていたのだ。
私が誰かのマイミクに承認されていた。
マイミクというのはいわゆる「お友達登録」のようなもので、「マイミクにしてください」と申し出て、「良かろう」と言う返事をもらって初めて承認されるのである。
そのような申し出を、誰かにした覚えなどない。
相手の名前を見ると、名前ではなくメチャクチャな記号である。
明らかに怪しい。
しかし、足跡が残るだけなら分かるが、マイミクに承認となるとそう簡単にはいかないはずである。
この人は、どこかで私と繋がっている人なのだろうか。
きっとそのはずである。
私は足跡がつく覚悟で、その人のページに飛んだ。
ぶー子じゃねーかEE:AE4E6
娘ぶー子が私のところに勝手にログインし、ぶー子にマイミク申請をしたのである。
それをぶー子が承認したのだ。
そんなに私と友達になりたかったのか、悲しいやつめ。
しかし私のところもぶー子のところも、これといって何かしている訳ではなかった。
マイミクになり甲斐がない親子だが、見ると、一つだけ共通項があった。
アプリ、つまりmixiでできるゲームである。
私は今「はじめようマイ・バー」というゲームをやっている。
ゲームというか、バーを開店させているのだが、同じゲームをやっているマイミクの店をコツコツと訪ねたり店の掃除をしたりしてアイテムを集め、店を発展させるのだ。
これはとある総長さんに誘われて始めたのだが、始めたのが遅かったのか、マイミクの店はすでに放置状態になっているように見えた。
いつ行っても店員は疲れ果てて全員倒れている。
それを助けるのが私達・周りのマイミクであり、助けた事によって自分も助けられるような仕組みになっているのだが、そうなのだ、これは助け合って発展させていくゲームなのである。
欲しいアイテムがあれば「欲しい!」と呼びかける、あなたのためにビールで乾杯するわ・・・これで点数アップ、プレゼントにこれをどうぞ・・・。
しかし、完全に一方通行なのである(笑)
働き疲れて倒れた店員をひたすら助け、マイミクの店を掃除して点数を稼ぐ。
しかし私の店員もいつも倒れている。誰も店に来ないからだ。
一体何のために、私はこの店を発展させているのだろうか?
おそらくこのゲームは、マイミクとのコミュニケーションを楽しむためのものなのだろうが、それでも少しずつ自分の店が大きくなるのが実は楽しくて、ひとりでコツコツと進めていたのだった。笑ってくれ。
そんな私を見るに見かねて、ぶー子の方でも店を出してくれたのだ。
と言うか、私の経営の仕方がもどかくて変なやる気を出させてしまったのかもしれないが、とにかくこれで、あれをよこせ、ウチの店員を助けろ、と要求できる。早急にレモンくれ、大量に。
かくして、友達の和を広げるべきmixiにて、親子でマイ・バーである。
ところがぶー子の方はぶー子の方でマイミクがやっているらしく、彼女の店の成長の方が早い。
もうプライドも見栄もない、こうなったらどんどん先を行ってどんどんレモンを回してくれ。
ところで最近になって、急にあるマイミクさんから店にビールが届くようになった。
砂漠に突如現れた湖を見つけたが如く、私は感動した。
誰も私の存在に気付いていないと思っていたのだ。
今日もありがたくビールを頂き、店の掃除をし、店員を回復させる。
ネットサーフィンの時間は、マイ・バーに変わった。
しかし不毛な作業である。
それでも止められないのが「中毒」だ。
依存しやすい性分なのである。