部屋を片付けると、最終的には「処分」に行きつく事になる。
ここが正念場なのだが、これがどうしてもクリアできない。
かくして、捨てられない物が溢れる部屋となるのだ。
それを「散らかった部屋」と人は言う。
なので、いつまで経ってもぽ子の家は、散らかった部屋から脱することができないのであった。
それも、バザー物品を募集しているところに押しつける、という技で乗り越えられそうな感じになってきた。
私は着なくなった服を洗い、アイロンをかけ、皿やコップを磨いてダンボールに入れていった。
まだまだありそうな気がして結局ダンボールを出しっぱなしてそれが邪魔になっている状態だが、一体いつが「出し時」なのだろうか。
我が家から不用品が果てる日が来るとは思えないから、ダンボールも永久になくなることはなさそうである。
しかし中には、バザーにすら出せないものもあるのだ。
①まだ使えるが、②綺麗じゃないもの、である。
そして、ここへきてそれが何だかハッキリと分かった。
時計である。
バケちゃん対策で寝室を片付けたが、如何ともし難いのがこの時計群であった。
結婚当初に初めて買った目覚まし時計、ひとつじゃ足りないから買い足したふたつ目、もういらないとぶー子に言われた目覚まし時計、これもう気に入らないとぶー子に言われた掛け時計、音楽室から持ってきた電波時計、夜中に目が覚めたときに時間が分かると怖いから止まったままにしてある掛け時計、そして使用中の目覚まし時計、計7つである。
しかしその使用中の目覚ましは、スヌーズが3回ほどしか鳴らない根性ナシで、私はコイツのせいで何度も寝坊している。
なので携帯の目覚ましと併用しているが、たまたま目覚ましに選んだ曲がマイケル・ジャクソンの「BAD」であり、サビのみを繰り返すそれは朝に相応しいものではなく、毎朝私は怒りを覚えながら目を覚ます事になった。
そこで終わるのがぽ子である。
相変わらず時計はゴッソリ置かれたままだし、朝になるとマイケルの騒がしさにウンザリする。
目覚ましだけでも他にあと4つもあるのだが、初代と2代目はもはや動作に信用がおけず、音楽室のに働かせるのは何となく時間外の残業みたいで気が進まず、ぶー子のお下がりは使いたいのだが、電池を入れる部分のフタがバカになっている。
バカはテープで止めれば済む話なのだが、それが面倒で今日まで来てしまった。
セロテープをちぎって持ってくる手間よりも、マイケルの騒がしさを取ったのである。
もしかしたら私を悩ませるバケちゃんの正体は、時計の怨念かもしれない。