何としてでも寝不足は免れたかった。
今日は会社で勉強会があると聞いてた。
この頃仕事は立ち仕事がメインになっているので睡魔と縁はなくなったが、それでも時々座り仕事やミーティングなどあったりすると、途端に眠くなる。
恐るべし睡魔、私は抗う術を知らない。
眠くなるなら疲れる方がよっぽどマシである。
結局昨日も飲んでしまったが、それにより気持ち良く眠りに入ることはできた。
寝る前に子猫にミルクを飲ませ、またケージに戻すのが忍びないので一緒に寝ることにした。
いけないことは分かっていたが、ここのところ酔っ払って何度か一緒に寝ても無事だったため、だんだん緩んできた次第である。
とりあえず子猫が遊びつかれてウトウトするところまではつき合って起きていたが、やがて胸の辺りで動かなくなると、私も安心して寝てしまったのだった。
とは言えやはり心のどこかで気になっているのか、ちょくちょく目が覚める。
まだ寝てる、OK。
まだ寝てる、OK。
まだ寝て・・・、おお、起きてしまったか。ここからが肝心だ。
子猫は来た時の倍ほどの大きさになり、ヨチヨチと這っていたのが今ではピョンピョンと飛び跳ねて良く遊ぶようになった。
1日の大半を小さなケージで過ごしているチビ。
こんな風にイキイキ遊んでいるのを見ると、なかなかケージに戻すことができない。
しかし私は眠い。
何度か寝て分かったのだが、恐らく踏み潰すことはないだろう。
危険なのはベッドから落ちる方である。
私は自分の体をバリケードにして、ベッドの内側で子猫を遊ばせることにした。
そのまま寝てしまえ。
寝てしまったが、しかしすぐに起こされる。
子猫はコロコロ転がってぶつかり、髪の毛にじゃれ、鼻をかじる。
500gの子猫のことだ、そのどれもダメージはないが目は覚める。
でもこんなに楽しそうに遊んでるのに、あぁどうしよう。
しばらく我慢したが、翌日は会社の勉強会なのだ。何が何でも寝たい。
子猫をケージに戻す。
チビは鳴きもせず、恐らくこっちをじっと見ていたことだろう。
それが哀れである。
しかしこれでやっと寝れる。
安心して目を閉じたが、ん??何かかゆいぞ。
そうだった、こんな事が時々あった。いつも朝になると忘れているが、扇風機に吹かれた自分の髪が顔にあたり、こそばゆいのである。
うざい。
私は顔の正面で風を受けるように向きを変え、髪の先端が頭の後ろの方に流れていくようにした。
しかし髪の長さも位置も一律ではないし、扇風機は首を振っているのだ。
どう自分の向きを変えても、あるタイミングでこそばゆくなる。
ところで寝室は子猫の体温を保つためにエアコンで温度を28度に保っているが、私が暑いので扇風機を回して寝ているという矛盾した部屋になっている。
やがて体が風で冷えてきたのか、皮膚の表面がピリピリしてきた。
でもここで扇風機を消すと、今度は暑くて寝れなくなるはずである。
私は布団にくるまった。
こうすれば風が直接肌に当たらないだろう。
子猫のためにエアコンで部屋を暖め、暑いので扇風機を回し、それが寒くて布団に入る。
馬鹿馬鹿しい部屋である。
外はもう、夜が明けていた。
時計はいつ鳴るんだろう・・・、そんな事を考えながら布団に入っていたが、寝た気がしないまま起きる事になった。
寝不足確定である。
午前中には予定がビッシリ入っていたので、得意の二度寝も出る幕がない。
気が重いまま出勤したが、忙しかったからか忘れていたからか、結局勉強会はなかった。
救われたが、立っていても眠くて仕方がなかった。
こうしてパソコンに向かっている今も、眠くてたまらない。
しかし金曜日の夜なのだ。
頑張れぽ子、寝たら死ぬぞ~!!