「ぽ子さ~~~~ん!!こっち来て!!」
唐突な誘いであった。
舞子ちゃんは、ダッキーと共に知り合った、ゲーム上の新しい友達であった。
ダッキーもそうだが、最初のうちこそは「めっけ~~!!」だの「おやすみなさい^^」だのと毎日のように声を掛けてくれたが、このところずっと静かであった。
それが急にだったので、もしかして私の素性がバレたか、クエでとんでもない迷惑を掛けたのかと心配していたのだが、突然二人とも現れたのだ。
私を呼んだのは、舞子ちゃんの方である。
2、3週間ぶりじゃないかと思うが、彼女はHR100を超えていた。
一緒にいた305クンも以前ご一緒した人だが、どちらも私よりずっとずっと先輩である。
舞子ちゃんは白のキノス装備にてんとう虫の武器を背負い、305クンも何だか分からないが私よりもはるかに立派な装備であった。
その中にイーオス装備の私。
しょぼい。
まぁ下手さをアピールするには一役買っているだろう。
実際、昨日を境に舞子ちゃん達は私を「ぽ子!」と呼び捨てにするようになり、「ついておいで!」と頼りになる先輩ぶりを発揮した。
ところで、ふた回りほども年下と思われる彼らに呼び捨てにされる事は、全く不快ではい。
むしろ私は心地良く楽しんでいると言っていい。
騙しているようで心が痛むが、正体をバラすことがいいとも言い切れないような気もしているのだ。お互いのために。
しかし昨日は早く寝たかったのだ。
声を掛けられたのは、「もうこのクエで寝よう」と思って、クリアしたばかりの時であった。
珍しく舞子ちゃんは「こっち来て!」と積極的だったので腹を決めたが、「もう寝ろ寝ろウルサイのでラストにします」と言い訳をして参加したのだった。
ところで私に寝ろ寝ろウルサク言う人などいないが、言い訳が欲しかったのだ。
すると舞子ちゃんは「学生はツライよね~」と返してきた。
ふぇ!?学生!?
「そか、若いのか~~」305クンも続ける。
違います~~~、学生ちゃう、若いちゃうEE:AEAC6
私はそれには答えず、「上位ガノトトス、お願いします」と話題を強引に変えた。これなら嘘にはなるまい。
「私も学生だけどEE:AE595」
あぁやっぱり、実はオバハンオチって訳にはいかないのね・・・。
上位ガノトトス。
一人1死の3死でアウトだ(笑)
いやぁ、いつもと違う雰囲気で面白かった。
ふたりとも余裕ぶっこいてチャットしてふざけながらの討伐である。
二人して相手が死んだ事をなじり、そのやりとりがユルい雰囲気でとても楽しんだ。
ちゃんとリベンジを果たしてから分かれたが、「もう行っちゃうの??」と言ってくれ、ヘタレハンター・ぽ子40歳、とても嬉しかったであります。
素材も手に入り、ランクも上がった。
また夜更かししてしまったが、いい夜であった。