今日は休みをとっていたので調子に乗って4時近くまでゲームをやっていたが、朝は9時起きである。
自業自得だが、もう眠い。
連日の寝不足で、いよいよ限界間近である。
休みをとったのは、ついにあの迎賓館から招待を受けたからである。
初めて迎賓館を目にしたのは、結婚して間もない頃、車でそばを通った時であった。
何で日本にこんな宮殿が、と驚愕し、できることならいつか中に入ってみたいと常々思っていた。
それが叶ったのだ。
夢のようである。
なぜ私のような平民が中に入れたのかというと、平民を入れてくれる日だからであった。
しかし選ばれし平民だけである。
どのようにして私が選ばれたかというと、抽選である。
平日で応募が少なかったら抽選すらなかっただろうが。
まぁつまり、誰でも選ばれし者になれる訳だ。
しかししくった。
栄えある迎賓館訪問の日に、ゲームで寝不足とは。
もうフラフラである。
電車で寝てやろうと目論んでいたのだが、隣に座った親子が寝かせてくれなかった。
子供はまだ小学校に上がってないぐらいの男の子である。
大好きな電車に乗って、上機嫌であった。
「ねぇ、ママ、これは小さい駅に停まるの?」
「小さい駅にも大きい駅にも停まるのよ。」
「これは中央線なの??」
「これは違うわよ。」
「かいぞく渋谷行き?」
「『かいぞく』じゃなくて『快速』よ。」
微笑ましいと思ったのは最初のうちだけである。
「この電車が終点なの?」
「ねえ!!終点なの!?」
「ねーえ!!」
母親の返事が遅れれば、質問は更にラウドに繰り返される。
その上子供の質問の意味が分かりにくく、母親の返事は途絶えがちになっていく。
「ねーえ!!」
「ねーえ!!」
「ねーえ!!」
子供の声というものは、男の子だろうと甲高く、響く。
「それはどうして?」
「何で??」
「じゃあどうして??」
そして母親がやっと答えても、彼の疑問は果てしなく広がるのだ。
子供というのは探究心のかたまりで、それを満たしてやるのが親の務めでもあるだろう。
黙らせろとは言わない。
が、頼む、最短で的確な答えを最速で彼に返してくれ。
それで私の被害も最小で済むのだ。
眠れないまま西武新宿に着いてしまった。
乗る前より消耗した気分である。
迎賓館は、まさに「宮殿」であった。
ベルサイユを彷彿とさせる豪華絢爛なパレス。
あぁここで寝不足のあまり倒れれば、あの素晴らしいベッドで寝れたかもしれない。
やっとここに来れはしたが、今度は1泊の夢が芽生えるのであった。
ヘトヘトで家に着くと、いつものベッドで眠る。
起きたらもう夜の8時で、近所のスーパーに惣菜の買い出しだ。
平民である。
しかしだ。
その後乾杯してゲーム漬けとなるのだ。
迎賓館に泊まれるような人間にはできないことであろう。
まぁ結構幸せである。
1泊できなくてもいいか。