風邪で寝込んだ1日で二重瞼になったぽ子であったが、左目は呆気なく1日でもとの一重に戻ってしまった。
が、右目はまだ頑張っているぞ。
もしかしたらこれで本当の二重になれるかもしれない。
昔のことは忘れて下さい。
しかし根性ないのは左目である。
プチ整形を無料で一晩で、そしてあわよくば「HowTo簡単二重瞼」の本でも出すかと思ったのに、世の中そんなに甘くはないのだ。
ところが、美容の技術は進んでいた。
「読んだよ、ワンナイトキラリ☆」
娘ぶー子がニコニコ笑っている。
一重のアンタに私が笑えるかッ。・・・と言いかけたところでぶー子の手に何かがある事に気がついた。
初めて見るものである。
小さなケースに入ったそれは、ゴムのようなピンク色の透明の棒だ。
3cmほどで、透明である。
ぶー子はその両端をつまむと、左右に引っ張った。
すると中心から棒が切れ、中から細い糸が伸びた。
「目、つぶって。」
ぶー子はそれを左の瞼に貼り付けた。粘着性のもののようだ。
そして左右をはさみで切ると、「いいよ。」と言った。
目を開けると、「あの日」の感覚が蘇ってきた。」こ、これは、二重瞼の感覚である。
走って洗面台の鏡を見に行くと、おおっ、そこにはピヨピヨ瞳のぽ子がいた。
これは「ストレッチファイバー」という、二重瞼製造アイテムであった。
棒の中から出た糸は非常に細く、簡単にニセ瞼とは気付かないだろう。
昔は「アイプチ」というのりのようなものを瞼に塗るものがあったが、このファイバーのように細くは塗れないので、非常に不自然な二重になってしまうシロモノであった。
ストレッチファイバー、素晴らしいではないか。
しかしぶー子は、いらないから私にくれるという。
瞼が厚すぎて、ファイバーが負けるらしい(笑)
厚い瞼に生んで良かったEE:AE4F9
しかし私は整形だとか作り瞼だとかいうニセ瞼などにはなり下がりたくはない。
プライドがある。
私はそこそこブサイクでデカい図体をしているが、ちゃんと結婚して人並みのハピネスを頂いたのだ。
それをファイバーごときで目を輝かせようなんてコスい真似を今さら・・・。
じゃあ誇り高きぽ子にはこのストレッチファイバーは要りませんね。
いいえ、要ります。
私はこのファイバーで、本物の二重瞼になってみせましょう。
風邪で一晩寝込んだだけで、右目は二重になったのだ。
ちょっと矯正すれば、もはや張りも抵抗もない私の瞼は二重になるのではないか。
こうして私は風呂上りにこのファイバーをつけることにした。
どれぐらいもつかは分からないが、出掛ける前に取れば「嘘」にはなるまい。
自力で勝手に瞼がめり込んでいるのだ。
私の感知するところではない。
ところでぶー子にこのファイバーを貼り付けられてから寝るまでのほんの数時間に、私は3つファイバーを駄目にした。
気を張ってないとすぐに目をこすってしまうのだ。
ファイバーがウザいのではない。昨日知ったが、癖である。
ケチな私は左右に残った部分をまだ使えないかと、とっておいてある。
それどころか少しでも多く残すように引っ張る幅をケチっているので、どうもファイバーが若干太いようだ。
その若干太いファイバーが強引にヨレヨレの瞼に食い込むので、左瞼全体がクシャクシャである。
何事もそうだが、ケチると結果もそれなりなのである。
昨日読んだフリーマガジンに、「人生のモテ期」についてのアンケートがあった。
ほとんどの人が20代にして過去に「モテ期」を経験していたが、私にはそんな時期はなかった。
強いて言えば、モテない状態に年々慣れてきて現状で満足する事を覚えたので、モテ期ほどの幸せ期なんじゃないかと思うようにしているが、これはもしかして、神が私の運命を変える事件になるかもしれない。
ファイバーを使い切った時、私は・・・。
結果は1ヵ月後にEE:AEB75