人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子53歳。

 

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『少年A』の告白 / 伊藤 芳朗

少年犯罪に関わる事件の弁護を数多く引き受けて来た著者の、過去に関わった事件と被疑者となった少年の背景を綴った1冊。

 

大きな事件なら「女子高生コンクリート詰め殺人事件」から、小さな事件で窃盗まで、実に33の事件を載せている。

その分ひとつひとつの掘り下げが甘い感もあるが、全体を通して伝えたい事がクッキリと浮かび上がってくるものがあった。

 

事件を起こすには、ちゃんと理由があるのだ。

彼らは突然踏み外すのではない。

長い間耐えて、その挙句に爆発したり投げやりになったりするのだ。

その多くの原因は家庭にある。

 

環境が変わらない限り彼らは何度でも失敗を繰り返すだろうが、環境さえ変えられれば彼らはちゃんと更生できるのだ。

そのためには親や学校が変わらなくてはならないが、残念ながらそう簡単に変わるものではないものである。

 

そんな時に著者伊藤氏のような信頼できる大人に出会えれば、その子供は幸運である。

 

私の若い頃の環境が、面白いほどこれらのケースに当てはまっていたのが印象的だった。

服装がおかしいと授業を受けさせてもらえなかったりしたが、あれは本来いけないことだったらしい。

学校は「家庭が悪い」、家庭は「学校が悪い」と責任をなすりつけあっていたが、どこにも居場所がなく本当に今思い出してもムナクソ悪い青春時代である。

 

同じように居場所をなくし、堕ちていく子供達のことを思うと、心が痛む。

少年犯罪を減らすには、少年達の環境を常に把握し、ひとりひとりときちんと向かい合って環境を整える必要がある。

そのためには少年達の発するSOSを逃さないように、我々大人が常にアンテナを張っていなくてはならないだろう。

 

少年達の、伊藤氏の心の叫びが詰まった1冊である。

 

 

 

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

 

 

 

「少年A」の告白

伊藤 芳朗 ・著

小学館 ¥1400