人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

さらばジャジャマキ

ピンポ~~ン♪

可愛らしい音色とは裏腹に、忌々しい音である。

なぜならその時私は布団に入っていて、時計を見るとまだ朝の8時40分だったからだ。

8時40分。

たとえ近所の人だろうと宅急便だろうと、私の中では非常識極まりない極悪な行動である。

9時を過ぎていたら、まぁちょっとは寝ている自分を恥じるところだが、8時代は許しがたい。

しかもそいつはしつこく4回もインターフォンを鳴らしたのだ。

てめえっ、私は昨夜また飲んでゲームをやったから、ハッ。

す、すいませんダスキンさん、只今・・・(汗)

今、毎月交換に来てくれているダスキンレディは非常に聡明な方で、ほんの2、3回の回収で私が忘れっぽいウスラボケだと見抜き、交換日カレンダーを作り、毎月前日に電話をくれるようになった。

お陰で私はその後一度も忘れることなく、彼女に汚れた換気扇フィルターとハンディモップを手渡す事ができていたのだ。

しかし、ここまでやってもらって忘れるとは、もうウスラボケ以上の愚称も思いつかない。

私は飛び上がって起き、ビデオの早回しのように(我が家はまだビデオ録画である)速攻でフィルターを外し、玄関のモニターを覗いた。

しかしそこにはもう誰もおらず、ブルルと軽自動車が去っていく音が聞こえてきた。

しもたー・・・。

ぽ子は自分をクズ呼ばわりするのは全く平気だが、他人にクズ呼ばわりされるのはたまらない。

やめて~~、クズって言わないでね、ダスキンさん。

せっかく起きたので、寝るのは止めた。

寝不足だったが思い出した。

今日はジャジャマキが退社する日なので、いつもより2時間早い11時に出社しろと言われていたのだ。

11時出社、12時昼休みで帰宅、1時に再び出社。

ちょっと待って、そいつはちょっとハードだ。

私は弁当を作る事にした。

金がもったいなかったのだ。

今月の給料も3万である(泣)

「わぁ、凄いお弁当~~!!」

「きれい~~~!!」と褒められた弁当だが、内訳は、スーパーあまいけで半額で買った焼くだけのハンバーグをケチッて半分にスライスしたもの、切ってある状態のサラダ用キャベツ100円をひとつまみ、トマト、ママカリの酢漬け(出来合い・100円)である。

ママカリ(笑)

ハンバーグにママカリの酢漬けだぞ。騙されるな!!

さて、今日はパート仲間ジャジャマキの最後の出勤日であった。

ちゃらんぽらんで自己中で本当に困った野郎だったが、いなくなると淋しいものだ。

しかし彼女の天敵の奥様は、今日も敵対の態度を緩めず、口を開けば「あり得ない」「え~?そんなはずない」と最後までたてついていた。

これまで彼女らのバトルを面白半分に見守ってきたが、奥様、このバトルはあなたの負けです。

さらばジャジャマキ、目に見えない勝利を持っていくが良い。

家に帰ってポストを覗くと、ダスキンさんから2通のメモが入っていた。

1つは「昼に又来るので、汚れ物と料金を置いておいてください」、

もう1つは「明日の昼に来ますので、汚れ物と料金を置いておいてください」であった。

最初のメモすら見ずにいたために、ダスキンさんは合計3度もここに来る破目になったのだ。

私だったら怒る。

そしてできれば私は怒られたくない。

私に向かって怒りはしないだろうが、きっと心の中では怒っているだろう。

私は、自分に対して腹を立てることは全く平気だが、他人に腹を立てられるのがたまらないのである。