人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

深夜の大ダメージ

午前1時30分。

私はやっとゲームのコントローラーを置いた。

私は心身共にネットゲームに侵されつつあり、眠る寸前までデカいゴリラを倒した感動に浸り、目を覚ましては「ああ、ゴリラを倒したんだっけ」などと考えている。

1時半ならまだ早い方だが、平日である。

私は翌日が休みとなっていたが、オンラインで一緒に戦った仲間には仕事が待っているのだ。

まぁ酒も抜けたし、本でも読んで寝るか、と席を立った。

ところが、パソコンの前に置いてあったコーヒーカップを流しに持っていた途端に、現実が押し寄せてきた。

流しには洗い物が乱雑に突っ込んであったのだ。

・・・忘れておった・・・。

いくら皿洗い機があると言っても、大きな皿や鍋類は入らない。

私はまず流しから一度鍋とフライパンを取り出してから、下に埋もれていた皿を食器洗い機に入れていった。

これだけなら大したダメージはないのだが、鍋やフライパンを洗う行為はかなり滅入る。

でかい鍋。

油っこいフライパン。

そして、あっ、あー・・・。

炊飯ジャーの内釜。

ご飯、炊かなきゃないじゃん。

何度も書いているが、米研ぎは私の嫌いな家事ベスト3に入る、お仕置き的なものである。

イモヅル式に、朝ご飯を作らなくてはならない事を思い出した。

朝作ったって悪くはないのだが、ちょっと手間がかかるので、作ってから寝ようと思っていたのだった。

くそっ、くそっ。

私はさっきまで、モニターの向こうで大きなモンスターと戦っていた戦士だったのだ。

それが何で今、こんな・・・。

やらないと明日の朝地獄を見るので、観念して着手した。

米、研ぐ。

そして・・・、

肉に塩こしょうをして、フライパンでレアに焼く。

その間にトマトを細かく切り、酢、サラダ油、しょうゆ、粒マスタードを良く混ぜたドレッシングに混ぜる。

レアに焼いたステーキ用の肉をそれを合わせる。

以上。

難しいものではないが、全部終ってベッドに向かったのは2時半である。

そして、睡眠薬代わりに本を読む。

もう時間がないから文字のないもの。

「世界の家」という写真集である。

本当にただ家だけがひたすら載っている。

こんなものにときめく人間がどれ程いるのかは分からないが、必ずどこかにいるのだ。

だからこんな本を作る人間がいて、こんな本を買う人間がいる。

昔、和田ラジオという短編マンガを描く人が、「月刊電柱」という本を読んでいる人の話を載せていたが、そんなものである。世界の家。

お陰で良く眠れた。

しかし結局今日も二度寝するのだが。