会社の仲間とモンハンをやり始めたが、とうとうさとちゃんが参戦した。
彼女は会社で唯一、素で楽しく話せる女性であり、大好きなヒトなのだった。
そしてその魅力は底抜けの天然ボケである。
彼女の参戦は、モンハンライフをより楽しいものにしてくれるはずである。
無料コースを始めたのはもう2、3日まえの事だったが、すぐに課金コースに切り替え、昨日コントローラーを借り、万全な体制で落ち合ったのだった。
しかしこの世界で大先輩になる男性軍は、どうやら飲んでいてみんないない。
初心者の私とさとちゃんで、クエストに出る事になったのだった。
クエストを持っていったのは私である。
いつもは誰かが持ってくるのについて行くだけだったのだが、そうなるとさとちゃんと私でも行けそうなものを選ばなくてはならない。
ハハハ・・・、あるのか??
簡単そうなものを選んだつもりだが、その根拠はない。
出たとこ勝負である。
クエストに出るとまず支給品をポーチに入れるように言われていたが、まずそこでさとちゃんは「一杯で何も入らない」と言った。
んん!?
一体何で一杯になっているのか??
回復系であることを願いつつ、進む。
何度も連れて来られた場所だ。
確か先には、すごいヤツが待ってるはずだ。
「回復アイテムをすぐに使えるようにしておいたほうがいいかも・・・」とチャットで送りつつ、私ごときがアドバイスをしている事実が怖い。
しかし帰ってきた返事は「回復アイテム、ないです」であった。
じゃあスタートに戻って支給品をもらおうという事になったのだが、そう言えば手持ちが一杯だったんだよなぁ・・・。
青いボックスの前にしばらくさとちゃんは佇んでいたが、突然武器を立て続けに研ぎ始めたので爆笑した。
アイテムを減らそうとしているのだろう。
私も他に思いつかなかったのでそれを黙って見ていたが、やがて「アイテムって捨てられないんですかねー。」とチャットが入った。
私もやった事がないから分からなかったのだが、メニューからアイテム画面を選んで何とかなったようだ。
今まで私は全ておんぶに抱っこでやってきたが、初めて「責任」を感じた。
さとちゃんを連れてメインターゲットを倒して無事に帰る。
できるのか?
できたのだ。
私はさとちゃんとふたりでクエストを無事に終えられた事に非常に感動した。
感動したと同時に、今まで私は一番モノ知らずのどんじりだったのが、さとちゃんを誘導できる人間に成長しなくてはならない事を知った。
「私もカッコいい装備が早く欲しい」。
彼女に必要な物を私が持っていたら、すぐにでもあげたい気持ちになった。
そう、今まで私がみんなからもらってきたように。
つーか、さとちゃんよ、何か頭にかぶったほうが良さそうだが。
「ダサい」と言って切り捨てたあなたの帽子は、「防具」でありますよ(笑)