二日酔いもなし、天気も良し、寝坊もなし、最高のコンディションの木曜日・・・と言いたいが、寝不足である。
みんな出掛けていくと気合いの糸も途切れ、眠くもないが「このままでは寝るぞ~」のテーマが流れてきた。
動け、動け、せっかく今日を無駄にしないために、昨日は飲まないで寝たのだ。
見よ、この晴天を。
勝利の花を咲かせているカタバミを摘み取れよ。
布団を干せよ。
ベランダの掃除をせよ。
しかしこういう時は現実に向かいたくないもの。
私はここ十日間サボッていたピアノの練習を再開し、これでポイントを稼ぐとすっかりやる気は失せた。
明日も休みなのだ。
何も寝不足で無理して今やらなくても、明日になれば時間はたっぷりあるのだ。
明日、明日、と全てを明日に押し付けて、ソファで座り寝。
目が覚めるとますますかったるかったが、晩ご飯の準備だけしておかないと、どうせ仕事から帰ったら今以上にテンションは下がっているはずだ。
タマネギとレモンとしょうがと鶏肉を切る。以上。
後はもう明日、明日。
食べるのは今日であった。
まぁいい、もう面倒だ、後で。
昼ご飯は、3日前のジャーマンポテトサラダの超残りとみそ汁とご飯である。
淋しいのでご飯に温泉卵を乗せた。
こんな昼飯なのに、なぜ痩せない?
そんなに週末のラーメンは罪深いのか。
今日の仕事はほんの3時間である。
家に帰っても時間はたくさんあったが、今日は寝不足なのだ。
ベッドで寝る事を1とすると、ソファの座り寝など半分の0.5だ。
私はベッドに向かう。
寝るつもりで寝室に向かったのだが、ベッドの上にはたたんだ洗濯物が乗っていた。
あぁ、朝のぽ子ちゃんがたたんだのね。
えらいけど迷惑な話だ。
仕方なくひとつずつタンスにしまっていったが、靴下が入らない。
靴下を入れる引き出しは小さい引き出しになっていて、他に下着とハンカチと軍手が入っている。
何で軍手かというと、軍手は手袋だからである。
何で手袋がというと、小さいからである。
とにかくこれらを入れている引き出しがパンパンで、閉まらない状態なのだ。
そりゃそうだ、私は完膚なきまでに穿きつぶさないと、下着や靴下などを捨てる事はしない。
増える一方なのだ。
しかし実際に身につけているのはほんの上っ面の方だけである。
下の方はどうなっている?
少し整理しようと、全部出してみた。
下の方からは懐かしい下着や靴下がたくさん出てきた。
穿かないのに入っているという事か。
そしてハンカチ。55枚。
それで引き出しが閉まらないんだから、少し間引くとするか。
相方がいない靴下はためらわずに間引けたが、問題はハンカチだ。
滅多に使わないのにこの枚数。
汚れ様がないのだ。間引き様がない。
「捨てないで~~。」「まだ使えるよ~~。」
あぁ、また聞こえてしまった。
ハイハイわかりましたよ、捨てませんよ、ちょっと休暇をあげるだけです。
私は気に入った柄のものを10枚ほど選び、残りはしまっておくことにした。
何かに入れておこう。
そうだ。
私は下着・靴下類の引き出しの上の扉を開けた。
するとドドドと勝手にたくさんの小さなバッグやポーチが流れ出てきた。
う~(泣)ここもか。
しかし流れ出てきたものだけ見て、ウンザリしてしまった。
きれいなのである。
私には間引けないものばかりだろう。
ハンカチもミニバッグやポーチも、買わないのになぜこんなに増える?
彼らの寿命は長いのだ。
それに対して彼らの発生率が高すぎる。
私はその中から娘ぶー子が大学のオープンキャンパスに行った時にもらった袋を選び、45枚のハンカチを入れた。
大学の名前入りのペナペナの袋までとっておくから増えるのだろうが、穴でも開いてくれないと捨てられないのがぽ子である。
そしてハンカチは袋には入ったが、今度はこの袋を置く場所がない。
しかしもうぽ子の気力は限界である。
袋は床に置いて、自分はベッドに潜り込んだ。
あぁ、どうしたらハンカチは汚れてバッグには穴が開くんだろう?
それが気になって、なかなか眠れなかったぽ子である。