昨日は水曜日だった。
水曜日と言えば平日の真ん中で、私にとっては単なる週の折り返し点であるだけだが、ダンナにとってはそうではない。
彼は宝箱を開けるように、昨日の夜を喜んだ事だろう。
単純な事だ。
飲める、というそれだけなのだが、この宝箱があるのとないのとでは水曜の夜の輝きが全然違うのだ。
私は飲まないと決めている訳ではなかったが、飲まないと決めたのだ。
あんまり我慢するのも良くないと考えていたのだが、少しは我慢した方がいいような腹になっているのだ。
飲めばその分摂取カロリーが増えるし、酔いによって食欲のコントロールが効かなくなるのは目に見えている。
爽やかな朝も捨てがたいし、飲むべきではないのだ。
しかし呆気なく飲んでしまった。
食事の支度ができ、ビールの缶をテーブルに置いたまでは決心は揺らがなかった。
しかし食器棚からグラスを出す時であった。
突然「え~い、飲んじゃえ」という恐ろしい荒波が押し寄せ、考える間もなくふたつ、揃いのグラスを出していた。
一瞬の出来事である。
この心変わりの早さには自分でも驚いたが、こういうのは心変わりと言うか催眠術とか超能力とか呪いとか、そういった力に操作されていると思ったほうが早い。
そもそも私が抗える類の力ではなかったのだ。
その力や凄まじく、私は寝る直前までワインを滝のように流し込んでいた。
久しぶりにダンナとガンダム無双をやったが、ガンダムくんが移動する間は右手でコントローラーを操作し、左手でワインを飲む。
これは移動のたびに煽るように飲んでしまうので、量がうやむやになり危険な飲み方であるが、酒もガンダムも捨てがたいのだから致し方ないのだ。
ちょっとゴキゲン。
良く眠った。
良かった事はそれだけである。
5時30分。
朝は皆に平等にやってくるが、私にだけは違った。
朝ではない、まだ夜なのだ。
しかしぶー子が夜のうちに朝ご飯を食べるというので仕方なく起きたが、もう眠くて眠くて仕方がない。
急いで二人分作って「お父さんのはここだから」と言い残し、再びベッドに戻った。
こうして私の午前はどんどん無駄になっていくのだ。
起きても何もやる気がしない。
もう眠くもない、二日酔いもないのだが、飲んだ次の日はどうもやる気が出ないのだ。
恐らく前夜のアルコール分解に力を全て出し切ってしまったのだろう。
午後の仕事も辛く、家に帰ったら疲れてソファで寝てしまった。
いい事なんかない。
もう平日の酒は止める。つもりだ。