人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

爪を出すとき

限界・・・。

誰も止めてくれないので、ついやりすぎてしまった。

片付けfor九州義父母Ver.である。

本当は今日は欠勤日だったのだが、急遽出勤する事になってしまったのだ。

この1日をアテにしてグータラしていたので、ぽ子は非常に焦っていた。

朝の6時半に起きてから12時45分に出社して6時に帰ってくるまで、みっちし働いた。

今宵は飲もうぞ。

中でもメインイベントは「キャットタワーの柱交換」である。

その他に、二人分の布団干しや玄関の水洗いなど、今日でなければメインになれたものもやったのだ。

遠慮なく言う。

頑張った。

遠慮なく飲む。

頑張ったのだ。

しかしやればできることが分かると、ますます普段力を温存してしまいそうな予感である。

現在我が家にあるキャットタワーは、友人からの頂き物のでかいヤツである。

下は床から上は天井スレスレまでのチェ・ホンマンサイズだ。

ん?今はこういう言い回しはしないのだろうか。

最近K1を観てないのでわからない。

8つの柱で縦に繋がっているが、この柱は猫が爪を研げるようにぶっとい縄がキッチリ巻きつけてある。

そして3匹の猫がまんまと爪を研いだので、ヤマアラシの針のように縄はほつれ、ところどころ解けた縄がぶら下がっている有様であった。

しかし突然こんなにボロくなった訳ではない。

少しずつ少しずつ、洞窟の鍾乳石のように積み重なっての惨状である。

なので信じられない事にこの現実にしばらく気付かなかった。

気付かなかったというか、何とも思わなかったというか、しかし得てしてある日突然我に返るものだ。

なんじゃこりゃ!?ひでぇ!!と。

なんじゃこりゃひでぇが遅れたために何人かの客人に見られてしまったのが恥ずかしいが、やっと替えの柱を買ったのだ。

しかし例によってそのまま数週間。

ダンナが週末になると「俺がやる」と言ったが、それは困る。

私がグータラできないからだ。

だから私はコイツを平日のうちに勝手に片付けてしまおうと考えていたのだ。

案の定それもそのまま数週間が経ち、ダンナの両親が泊まりに来る3日前にやっと着手した訳だ。

しかしこれはどうやってバラすのだろうか。

組み立てにも携わっていなかったので、どうしたらいいのかが分からない。

恐らく柱自体がネジの役目をしているのだろうが、問題は最上部である。

つっぱりポールのように天井にくっついている。

不良のマッカートニーではない。

私はまず踏み台を持ってきてこのつっぱり部分のネジを回してみた。

少し緩んだが、すぐ下の柱が外せるほどの余裕はない。

回す。ゆする。引っ張る。

こういう事をするからダンナは私にやらせたがらないのだが、そう言えば何かもう一つ「俺がやるからぽ子は触るな」と言ったものがあったはずだ。あれは一体何だったか。

忘れたという事は触るという事である。

触るという事は回してゆすって引っ張るという事である。

そのつっぱり部分を引っ張ると、小さくミシッと言った。

見ると不自然な角度に曲がっている。

ヤバい、戻さなくてはと焦ったが、今度はゴシッと言って天井のクロスがはがれてしまった。

こうなったら柱の交換を完遂する以外にこの失敗を抹消することはできないだろう。

私はもうコンポで録音すらできない人間だ。

携帯はメールと通話とカメラぐらいにしか使わないし、デジカメはシャッターを押すだけ、ゲームのコントローラーはボタンが増えて手に負えないため、新しいゲームを始める度に捨てのボタンを考えなくてはならない状態である。

歳のせいか?

いいや、それだけは否定したい。

やらないからできないだけなのだ。

・・・・・・と言うことを証明しようと思ったのだ。

で、ぽ子40歳、キャットタワーの柱の交換に成功である。天井のクロスを破いて。

やればできるのだ。きっとデジカメもゲームの必殺技も。

ぽ子は脳ある鷹なのだ。無駄に能力を出したりはしないだけである。

ところで天井のクロスだが、昨日偶然「クロス職人ボンド」なるものを買ってあった。

猫の爪とぎ跡をいよいよ本気で直そうと思い立ったのだ。

しかし我慢できずに朝さっそくこれでクロスのささくれの修復に挑んだが、あまりのささくれの多さにウンザリしてしまい、どうでも良くなってしまったのであった。

まぁ天井で活躍してくれたから良しとしよう。

ぽ子のコマンドに「キャットタワーの解体」が加わった。

これからも積極的に何でも挑戦しようと思う。