人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

バスツアー再び・1

別にバスツアーにハマッてる訳でもない。偶然である。

今日のツアーが本命で、この間のクソは懸賞で当たっただけだ。

ダンナ曰く、ハズレが当たったのだが。

ダンナの誕生日は、12月24日というロマンチックで間の悪い日である。

どこへ行っても予約は一杯、料金は跳ね上がり、祝う側泣かせなのだ。

プレゼントにしたって、もうこの年頃の男性というものは、手頃な欲しいものは大抵持ってるし、ハズすとお互い辛い。

目下、食べるものが喜ばれそうだが、食って終わりではスペシャル感がない。

そこでバスツアーをチョイスしたのだ。

プレゼントは「思い出」である。くぅ~~~っ。

しかし私は、おととしの誕生日にバスツアーに連れ出して、ひどい目に合った。

この間のツアーといい、バスツアーなんて結構ショボいものなのかもしれない。

しかし諦めるのはまだ早い。

今回のツアーは、題して「森のクリスマスイルミネーション!クローネンベルグ・ドイツ村」、佐野プレミアムアウトレット、佐野ラーメンの土産屋、ライトアップされたクローネンベルグ村でバイキングを食べるというコースである。

ここのどこに落とし穴があるのだ?

7時半に家を出て、駅近くのジョナサンでモーニングを食べる。

前回のツアーでは「バスツアー」という響きに安心して、ヒールの高いブーツを履いて行って足が痛くなった。

性懲りもせず同じブーツで出て、やはり足が痛くなる。

ジョナサン~~~、あんた結構駅から遠いのね。

で、私はこのプレゼントをサプライズにしていたのだが、バスに乗って日程表をダンナに渡して、

「佐野ってどこ?」

と言う事になった。

答えが出たのは高速に乗って、最初の休憩に停まったパーキングエリアである。

こんな事を知らん人はいないかもしれないが、答えは「栃木県」であった。

ダンナ、さっそくDSテレビの「TVの旅」に栃木県を登録。

「群馬県」という思わぬおまけに喜んだが、ドイツ村は群馬であった、結局。

良くわからないで佐野プレミアムアウトレットなどに来てしまったが、どうやらお門違いである。場違いともいう。または100年早いとかおととい来やがれとか。(ちなみにこの時私は間違えて「あさって来やがれ」と言ってしまった。)

つまり、私のような貧乏人の来るところではなかったのだ。

軒並みブランドショップである。

安いのがアウトレットショップの魅力らしいが、いかんせん元が高いのだ。

80%引きで1万超えてるって、なめんな(泣)

結局買ったのは、ジーンズショップの2千円のジーンズと福袋だけである。

ジーンズの裾直しの間に店を出たが、その間に入ったのはスピーカーのBOSEの店である。

知らない方のために説明すると、高級スピーカーやオーディオ機器の店なのだ。

冷やかし&時間つぶしに入ったのだが、やはり音の良いスピーカーで聴く音楽は格別である。

単なる冷やかし&時間つぶし以上のものであった。

色んなスピーカーで様々なジャンルの曲を聴いていたら「これから12時の回が始まります!」との声が。

どうやら素晴らしいサウンド体験ができるらしい。所要時間15分。ちょうど良いではないか。

入ったのは小さな部屋である。

イスが10脚ほど3列に並び、正面にはスクリーン。左右とスクリーンの下にはスピーカー、スピーカーの隣にはプレイヤー。

薄暗く、さながら小さな小さな映画館のようだ。

中に座ったのは私達を入れて3人。

時間が来ると女性が正面に立ち、これからこんなものを見て感動を味わって下さい、というような事を説明する。

しかし、BOSEである、ボーズ。

つい「坊主」と置き換えてしまい、「こんにちは、坊主の岡山と申します。」「これから坊主の奏でる音楽を・・・。」などといちいちおかしく、笑いを堪えるのに苦労した。

まぁ販売促進DVDである。

しかし販売促進が目的なため、「すげえ!」と言わせるようにできている。

そして敵は天下のBOSEである。

ちなみに我が家にはホームシアターシステムがあるが、きっかけは家具屋にあったBOSEのシステムに感動したからであった。

高くて買えなかったが。

ボリュームが上がっていることもあるだろうが、すごい迫力である。

そして繊細な音には、どこまでも繊細である。

まるですぐそこにその人がいるような感覚だ。

しかしもっと驚いたのは、終盤に坊主の岡山がそっと正面に出てきた時である。

彼女は左右、スクリーン前に設置されている大きなスピーカーを外していったのだが、その中には手の平に入るような小さなスピーカーが出てきたのだ。

この素晴らしい音を出していたのは、このチビである。

そして彼女は後ろに回って同じように二つの大きなスピーカーを外した後、また正面に戻って今度はプレイヤーを持ち上げた。

そのニセモノの大きなプレイヤーの下から、プレステほどの小さなホンモノが現れる。

いやぁ、たまげたね。

しかし彼女は最後まで値段を言わなかった。

言わないまま、「店内でご自由に体験できますので、お試し下さい。」と言ってしめた。

店内でご自由にお試ししながら値段を知ったが、45万である。

欲しいのに買えない、惚れたのにモノにならない、修行的体験をして店を出た。

いつかはBOSE、BOSEこそ金持ちの象徴である。

制限時間10分前に入った雑貨屋が面白かったのだが、もう時間がなかった。

そこへ福袋である。

ぽ子は福袋に弱い。

しかも、輸入物を扱ったオシャレなこの店である。

値段は3千円だったが、持ってみるとズッシリ重い。

もちろん重さと内容の良さは比例しないだろうが、ぽ子には比例するのだ。

ダンナが止めるのも聞かず、買ってしまった。

開けるのは家に帰ってからのお楽しみである。

次に行った佐野ラーメンの土産屋は、どってことない小さな土産屋であった。

佐野ラーメンなどというアッサリしたラーメンなど食べる事はないと思っていたが、何となく記念に買ってしまうのである。

それを見抜いたようなコースである。前回はその典型だったが。

最後は一番楽しみにしていたクローネンベルグ・ドイツ村である。

つづく

佐野プレミアムアウトレット