人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

哀カメ

晴れた。

ここんとこの休日の天気予報のハズレっぷりは酷い。

朝になってバタバタと準備して、ウォーキングに向かう。

今日の最終目的地はここだ。

まずは新橋でカレーを食べ、ダンナの会社の近くの愛宕神社に行く。

ダンナは昼休みにここの階段を上るらしいが、見ただけでクラッとした。

食後である。

私は女坂を選んだが、それでも相当キツかった。

子供坂はないのか。

私よりもずっと女らしく写っているこの人物は、男性であった。

途中で何度も止まって息を整え、やっと着いた頃には食ったカレーを吐きそうだった。

なぜ神社はいつも高いところにあるのだ。

ここはもう何度も来ている。

私がいつも楽しみにしている事のひとつに、「コイのエサやり」がある。

ここには池があり、たくさんのコイが住んでいる。

社務所にちゃんとエサも売っており、私はここでエサを買い、コイにあげるのだ。

すごい数のコイである。

それ故エサの争奪戦も激しい。

しかし今回エサをあげたくなったのは、このコイたちではなかった。

ダンナから聞いてはいたが、カメが1匹いたのだ。

きれいに撮れないのが残念だ。

私が使っているカメラは実は携帯のカメラで、「こうかく」だというのだ。

近くても遠く写ってしまう。

どんな字で書くのか??

このカメ、2、30cmほどのカメである。

ずっと鼻先を水面から出して、プカプカと泳いでいた。

しかし平べったい甲羅に対して小さな手足。

水面が揺れるたびに、カメも大きく揺れ、なかなか先に進めない。

不器用そうにヨタヨタとただ、水面を漂っていた。

ぽ子はこのカメがすっかりかわいくなってしまい、何としてもエサをあげたくなった。

しかし、コイたちは大きな体で素早く動けるので、サッと横から取ってしまう。

こうなるとますますカメが哀れで、ますますカメに食べて欲しくなる。

しかしエサは直径1cm程の軽いものであり、投げてもなかなか思うようなところに行かないのである。

カメから離れて落ちてしまえば、それだけコイにチャンスができてしまう。

カメはエサに気付くと一生懸命にヨロヨロそこに向かうのだが、目の前でコイに奪われてしまうのだ。

それだけならまだいいが、時に大量のコイが押し寄せ、カメは左右に揺れながら沈んでしまう。

カメ~、カメ~~(泣)

こんなにカメを愛しいと思った事は、これまでにない。

なぜこんなに平べったく生まれてしまったのか、カメよ。

このお尻と後足のマヌケなポーズに、彼の不器用さがにじみ出ているだろう。

プカプカプカプカと水の揺れに弄ばれながら、カメはマイペースでエサを追っていた。

すっかり癒されたが、すっかり悲しい気持ちになって次の目的地、最終目的地に向かう。

つまりここだ。

しかし展望台への券を買う長い列を見て、すっかり萎えてしまった。

もうお金を払わずに行けるところだけ行こう。

そこで行った2階のお土産店フロアは、ある意味ショッキングであった。

これまでこれほど購買意欲をそそらなかった店はない。

2、30年前で時間が止まっている。

東京タワーのキーホルダー、それが進化してストラップ。

大小さまざまの東京タワーの置物、ちょうちん、Tシャツ。

湯飲みに絵ハガキ。

外国人もチラホラいたが、恥ずかしい、これは現代の日本ではない。

お台場に行ってくれ、渋谷に、六本木に。

この時点で歩数計は1万を超えていた。

疲れた。

コーヒーを飲んで帰路に就くが、この後100均と、中古ゲームソフト屋と、近所のスーパーに寄って帰ったのであった。

疲れた。

ダンナと娘ぶー子は「世にも奇妙な物語」を見ているが、ぽ子はこれに加われるだろうか。