人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

障害

普段から寝つきが悪いが、昨日は実にたくさんの障害が立ちふさがって、寝不足である。

ウソ。

二度寝したので寝不足はウソですが。

布団に入る時間の目標は11時だが、これはなかなか難しい。

昨日はみそ汁を夜作ったので、12時近くになってしまった。

布団に入ってもすぐには眠れないので、眠くするために本を読む。

「子供がキレる12の理由」を読んでいたが、理由を知る前に眠くなってくる。

イケる、今夜はイケるぞ。

このままとことんまで眠くなったところをグッドナイトだ。

その時。

何となくフワフワと浮遊感があった。

顔を上げたが特に変わった様子はない。

本に目を戻したが、フワフワとした感じはなくならない。

長い。

・・・地震??

そう思ったところでやっと、ユサユサと分かりやすい揺れが来た。

地震だヤッホー!!

ぽ子は地震が苦手だったが、この家に来てから怖くなくなった。

ここに来る前は築30年余りの家に、その前はもっと古い団地の5階に住んでいたので、揺れも音もずっと激しかったのだ。

「地震が怖くない」という感覚は、快感である。

私はヤホーヤホーと揺れていたが、あまりに長く、だんだん強くなってきたので不安になってきた。

「大丈夫ですかぁ~~~??」

私は寝室を出て、階下に向かって叫んだが、返事はない。

返事がないという事は、彼らには大した事ではないのだろう。

バツが悪いのでいそいそと布団に戻る。

あぁ、ちょっとビックリしちゃったよ。目が覚めちまった。

テレビをつけると、東北地方が大変なことになっていた。

ヤホーとか言ってゴメンナサイ。

さて、もう一度眠くなるところからやり直しだ。

テレビをつけたときに、時間がわかってしまった。

早く寝ないと。

本を区切りの良いところまで読むと、電気を消した。

すぐにウトウトしかかったが、必ずお約束の目覚めが1度来る。

この頃は開き直って、この目覚めが来ない事には眠れないと思うようになった。

昨夜のきっかけは、自転車の音である。

昨日は窓を開けて扇風機を回して寝ていたが、その窓のすぐ向こうで、キュッと自転車が停まる音がする。

これを初めて聞いた時は「こんな時間に何奴!?」と激しく眠れなくなったが、どうやら向かいの家の住民だ。

毎日深夜にこうして帰ってくるようなのだ。

大した音ではないが、これで目が覚める事は多い。

しかしこれで約束の「目覚め」はクリアしたのだ。ゆっくり寝るぞ。

しかし次にウトウトしかかった時に、今度は気味の悪い音で目が覚めた。

意識の遠く向こうでゴー・・・という音が聞こえてくる。

それが意識の中に入って来たとき、恐怖で目が覚めたのだ。

深夜なのだ。ゴーって・・・。

ヘリコプターの音であった。

なんでこんな時間に・・・、と思うと余計に気味が悪く、そしてこの音は、実はこれまでこんな風に何度か聞いていた事を思い出したらなお気味が悪くなった。

そうなのだ。この時思い出したのだが、何度も聞いている。

しかし物音はそれきり全くしなくなり、再び眠るチャンスがやってきた。

ところが今度は簡単には睡魔が来ない。

何なんだ、この不快感は。

暑いのだ。

そうか、気がつかなかったけど、暑いじゃないか、何だこの暑さは。

私は扇風機を消して、窓を全部閉め、エアコンのスイッチを入れた。

体を起こしたので余計に目が覚めてしまったが、この後快適に寝るためだ。

これで眠れるだろうと思ったのだが、不快感はまだ消えない。

ハイ、実はわかってましたがしらばっくれてました。

トイレ、行きたい・・・。

このままもっと後でトイレに起きるよりは、今頑張って行ってしまおう。

やっと決心してベッドを下り、「眠い」「眠い」と言い聞かせながらトイレに行く。

目もしっかり開かないように、意識的に寝ぼけ眼にする。背中を丸めて、妖怪みたいだ。

寝室に戻り布団に入ろうとした時、この夜一番の恐怖が襲いかかった。

布団に人が入っていたのだ。

「ああっ!!」

私は驚いて叫んだ。

ニヤニヤそこで笑っていたそいつは、娘ぶー子であった。

まだ起きていたらしい。

「ひでえ、なにその顔!!」

そう言ってゲラゲラ笑って部屋から出て行った。

止めて欲しい、本当に。

100%覚醒だ。

この時に今日の二度寝を決意したのだ。

もう今夜は飲む。

飲んで気持ち良く寝てやる。

しかし明日は朝から仕事に行き、そのあと歯医者である。

気持ち良く寝て二日酔いか。

寝不足で二日酔いナシか。

悩むところである。