皆にはガッカリさせて申し訳ない。
ぽ子はちゃんと帰って来た。
顔つきで酒の入り具合がわかるのか、玄関に迎えに出たダンナと娘ぶー子の顔が、本当に嬉しそうだった。
あぁ、私は家庭をないがしろにするアル中オヤジと大差ないのか。
ハンバーガーを1個半にたこ焼き、ポテトにナゲットを食べたのは2時半だ。
食い過ぎた。
会社のパーティに向かうまで、苦しくて仕方がなかった。
これでは高級中華が入らない。
後先考えずに何にでも食らいつく自分を恥じる。
席は予め決まっていた。
ちゃんとパート同士でかたまっていたが、実は話の合う人がいない。
みんないい人ばかりだが、全く話が合わないので調子を合わせるのに非常に気を使う。
それでも飲めば自分を出せ、まだラクなのだが、今日は酔わずに1次会だけで帰ると約束したのだ。
腹は一杯だし、酒は飲めない。
慣れない人に囲まれ作り笑いを浮かべる。
つらい2時間である。
しかしだ。
皿に取り分けられた料理は全てきれいに食べたし、結局酒も、控えめながらも飲んでしまった。
酒が回るにつれお調子者になっていく私を、周りはどう見ていただろうか。
私はこのレストランに来るまで、パート仲間とは、一緒に歩きながらも全く喋らなかったのだ。
1次会が終わり、社員ばかりの「公式の2次会」に誘われた。
私はホロ酔いで、ぜひ一緒に行きたいと心から思った。
しかしもちろん迷いがある。
ええい、少しだけ行くか、と気持ちが傾いたが、私は、パート仲間の「非公式の2次会」を断っているのだ。
バレたら気を悪くするだろう。
迷っていたが、レストランの出口でパート仲間達が待っていた。
私はしぶしぶ帰る事に決めた。
「あっちの2次会に行くところでした。」と素直に言うと、「ダメでしょッ!!」と結構マジで言われたので、ひっ、行かなくて良かった、と安堵したのであった。
家に着く頃にはすっかり酔いは覚めていた。
なのでドアを開けてスッキリした私の顔を見るなり、ダンナもぶー子も喜んだのだ。
まぁこれはこれで良かった。
私もこれから本格的に飲むとしよう。
その前にダンナが作ったカレーだ。
どんだけ食べるんだっつの、全く。