人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ぽ子の帰宅

皆にはガッカリさせて申し訳ない。

ぽ子はちゃんと帰って来た。

顔つきで酒の入り具合がわかるのか、玄関に迎えに出たダンナと娘ぶー子の顔が、本当に嬉しそうだった。

あぁ、私は家庭をないがしろにするアル中オヤジと大差ないのか。

ハンバーガーを1個半にたこ焼き、ポテトにナゲットを食べたのは2時半だ。

食い過ぎた。

会社のパーティに向かうまで、苦しくて仕方がなかった。

これでは高級中華が入らない。

後先考えずに何にでも食らいつく自分を恥じる。

席は予め決まっていた。

ちゃんとパート同士でかたまっていたが、実は話の合う人がいない。

みんないい人ばかりだが、全く話が合わないので調子を合わせるのに非常に気を使う。

それでも飲めば自分を出せ、まだラクなのだが、今日は酔わずに1次会だけで帰ると約束したのだ。

腹は一杯だし、酒は飲めない。

慣れない人に囲まれ作り笑いを浮かべる。

つらい2時間である。

しかしだ。

皿に取り分けられた料理は全てきれいに食べたし、結局酒も、控えめながらも飲んでしまった。

酒が回るにつれお調子者になっていく私を、周りはどう見ていただろうか。

私はこのレストランに来るまで、パート仲間とは、一緒に歩きながらも全く喋らなかったのだ。

1次会が終わり、社員ばかりの「公式の2次会」に誘われた。

私はホロ酔いで、ぜひ一緒に行きたいと心から思った。

しかしもちろん迷いがある。

ええい、少しだけ行くか、と気持ちが傾いたが、私は、パート仲間の「非公式の2次会」を断っているのだ。

バレたら気を悪くするだろう。

迷っていたが、レストランの出口でパート仲間達が待っていた。

私はしぶしぶ帰る事に決めた。

「あっちの2次会に行くところでした。」と素直に言うと、「ダメでしょッ!!」と結構マジで言われたので、ひっ、行かなくて良かった、と安堵したのであった。

家に着く頃にはすっかり酔いは覚めていた。

なのでドアを開けてスッキリした私の顔を見るなり、ダンナもぶー子も喜んだのだ。

まぁこれはこれで良かった。

私もこれから本格的に飲むとしよう。

その前にダンナが作ったカレーだ。

どんだけ食べるんだっつの、全く。