人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

平凡

あぁなんて平凡でつまらない1日だったのでしょう。

過ごしている間はそんな風に思いもしないが、こうして今日の事を書こうと思うと、何もなかったじゃないか。

つまんない1日だ。

エルがペットポトルと格闘している。

久しぶりに見る姿だが、相当じれているようだ。

エルはこの500mlのペットボトルをくわえてソファに乗せたいようなのだが、横から噛み付いても、大きすぎてくわえられないのだ。

手でつかもうとしても、軽いそいつはカラカラと流れて行ってしまう。

ミャウミャウと、苛立って変な鳴き声をさかんに出していた。

猫たちは晩ご飯を食べていない。

いつもなら私が仕事から帰ってからすぐにあげるのだが、帰宅してリビングに入ると、ラとミがへっぴり腰で部屋の隅に散った。

あう~ん、と媚びるような声で鳴く。

怪しい、これは何かつまみ食ったな。

過去形ではない、「食っていた」、過去進行形だ。

さらに「Just」をつけるとついさっき感が出て、より近くなるだろう。

生ゴミの袋が破られ、床にヨークマートのチキン炙り焼きの骨が散らばっていた。

ダンナの好物である。

ちなみに私は衣がついている方が好きだが、まぁどちらにしても猫の好物でもある。

「グォ~~~!!」とシャウトして追い詰め、尻を叩いてやった。

一応「ゴラ~~~!!」とも言ったが、通じないといけないので毎度バイリンガルにしているのだ。

ラとミを引っぱたくと今度はエルに向き直った。

私が部屋に入った時エルは、ひとりで電話の横に座ってこちらを見ていた。

そしていつものように「ごはんちょうだい~~♪」とすり寄ってきたが、これだって油断ならない。

エルにはつまみ食いの罪悪感が全くないので、共犯なんだか無実なんだか、顔色ではわからないのだ。

エルはタレ目である。

タレ目でやせっぽちで、歩き方がヒョコヒョコしているのだ。

ダメだ、私にはエルを罰せない。

まぁ真実がわからないんだから、仕方がない。と言う事で、ラ、ミよ、許してや。

エルは証拠不十分で無罪。

そんなエルも、結局ソファの裏におしっこをしてしまい、「グォ~~~!!」と追われる事になるのだった。