ちゃんと1次会で帰ってきた。
初めてだ。
奇跡である。
職場から直接忘年会に向かう事にしたのだが、それだと1時間ほど時間が浮いてしまう。
私は年下の若き上司・アンガと、1次会の会場の隣の「餃子の王将」で時間まで飲んでいる事にした。
餃子をつまみにビールで乾杯したが、「ビール、サワー、日本酒、紹興酒」と酒のラインナップが悪い。
得てしてこういう所のサワーは薄くてまずいし、かといって1次会前から日本酒もなぁ。
賭けでウーロンハイを飲んだが、やはり薄くてまずかった。
そこで次に頼んだのは紹興酒である。
私は嫌いではないが、恐らく初めて飲むアンガの口には合わないだろう。
小さなショットグラスに注がれた紹興酒を、「一気にクイッといった方がいい。」と勧めると、彼は素直に一気に飲み干した。
咳止めシロップのような、カラメルのような、龍角散のような、お焼香のようなその液体に反応し、アンガは目を白黒させて口を歪ませ、「オエ~」とだけ言った。
アハハ、やっぱダメだったか。
でもね、他には日本酒しかないんだよ。
そこでアンガの携帯に電話が入った。
「ええっ!?」と言ってこちらを見、「もう全員揃って待ってるらしい。」と言った。
そこからは早い、アンガは携帯片手に上着を羽織り、私は伝票持ってレジに走る。
財布を持ったまま隣の中華料理屋に向かうがそれを落とし、中のカードと大量のレシートが地面に散らばった。
超恥ずかしい。
着くと席は私たちのふたつだけ空いていた。
つまり場所を選ぶ余地がなかったのだが、同じ部署のグッティさん、課長あたりの席で良かった。
これでホステス業は免れた。
のちに酔っ払って、一番苦手なおやじっちの隣に自ら飛び込んでいくのだが。
私は1次会で帰るつもりだったのだ。
先はないのだから、ここで思う存分飲み尽くさなくてはならない。
しかし、ここでのラインナップも王将と全く同じであった。
ウーロンハイを「濃い目で」と頼んだが、もうお腹がゴボゴボである。
結果その後は日本酒となり、ベロンベロンに酔い果てるのであった。
それでもちゃんと「帰ろう」と思ったから凄いではないか。
このコンディションで「帰る」という選択肢がまだ残っていたのだ。
ところで自転車は王将の駐輪場であった。
壊れたチェーンロックをダミーでつけておいたが、それを忘れてそのまま乗ったのだ。
私は壊れたチェーンロックを引っ掛けたまま、ガランガランと大きな音を立てて走る。
何でこんな音が鳴るのだ?
私は酔っているので理由がわからない。
壊れたか?
そこで家に電話をするのだが、こんな所で自転車が壊れたとロレツの回らない状態で言われても、である。
しかしダンナは来た。
車に自転車と私を積み込み、家に連れて帰ってくれた。
「どうしたらそんなに酔えるのかがわからない。」
のちにダンナがそう言う程であったが、2次会などに行かなくて本当に良かった。
あの時すでに降霊状態が始まっていたのだ。
「ブログの更新が・・・。」
「記事を・・・。」
と念仏のように言っていたらしいが、私のこのブログ魂、我ながら素晴らしいではないか。
ぶー子が代わりに入れておくと聞いて、安心して果てたのだろう。比較的大人しく布団に入ったようだ。
奇跡の生還であった。
帰ってきたぽ子に乾杯だ。
なもんで飲んでいる♪