人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

イタいプレゼント

誕生日である。

かなり悲しい気持ちである。

寝不足は必至であった。

昨夜はゲームの時間をオーバーしたため寝る時間が遅くなり、

「早く寝ろ!」「早く寝ろ!」とプレッシャーをかけたが逆効果で、かえって焦って眠れなくなった。

寝不足で目覚めたがこんな日に限って夕方から歯医者で、そのため仕事が午前から出勤であった。

職場に着いて座るなり眠くなったが、幸い今日は立ち仕事の方に回されたので睡魔から逃れる事ができた。

しかし問題は、昼食を食べて満たされている午後である。

今日はぽ子の誕生日なので社長と専務がうちの部署の女子だけを食事に連れて行ってくれたのだが、食べ過ぎた。

前回は1人が「これにします。」と安い丼ものを選んだら遠慮して皆がそれに従ったのだが、今回は最初の1人が結構ゴージャスなランチセットをセレクトしたので皆そのゴージャスなランチセットとなってしまったのだ。

ぽ子は食い意地が張っているのでこのセレクションに異議はないが、そうだった、思い出した…。

これまでもこのような誕生日食事会は何度か開かれてきたが、繰り返しているうちに暗黙のルールがあることに気がついた。

昼食会は昼休みなので十分な時間がない。

しかし混み合ったこの時間帯、そう簡単に頼んだものは出てこない。

なので自分の前に皿が来ると、皆涼しい顔で談笑しながらもすごい早さで食べるのだ。

私は自分の食べ方が遅いと思ったことはない。むしろ早い方だと思う。

ところがいつもこの昼食会ではビリに近いのだ。

「私、食べるのが遅くて…。」と言っていた彼女は、仕方なくかはわからないがいつも残している。

なので今日は意識して頑張った。

刺身、天ぷら、茶碗蒸し、ご飯と漬け物、お吸い物にあんみつまでついていた。

そして食後にコーヒー。

絶対に眠くなると思ったから、おかわりまでして飲んだ。

苦しい…(泣)

午後の仕事は座り仕事だったが、眠くなる事はなかった。

あまりに苦しくて、眠くなるどころではなかったのだ。

フー、今日は朝から娘ぶー子が残した肉まんをまるまる一個食べて来たし、いつも昼は納豆飯オンリー的貧弱な昼食なのだ。

かなりヘビーであった。

この後歯医者の後に、外飯が控えている。

「う~ん、それは困ったね。」

「ハイ、困りました。」

西荻の歯医者である。

いつもは金曜なのだか、会社の飲み会が入ったので1日ずらしてもらった。

私の誕生日に入れてしまった事に気付いたのはその後で、激しく後悔した。

で、何に困っているかと言うと

「右上の歯が痛い。」と訴えたからである。

先生はレントゲンの写真を見たあと口の中を覗き、歯をつっつき、押し、触り、親知らずが隣の歯にぶつかっていてぶつかられている歯のあたりが腫れている、と言った。

「これは抜かないとダメだね。」

先生はサラッと言った。

抜く!

私はこれまで抜歯をした人の話を思い出した。

どれも壮絶な体験であった。

嫌だ嫌だとゴネる私に先生は「大丈夫♪」「あんなの簡単~♪」「目をつぶったってできるよ♪」と続けて言い、抜くぞ、抜くぞ、じゃあもうこの話はおしまい、と言った。

今抜かないと後でもっと大変な事になると脅かされたので私も観念したが、歯医者を出ると暗~い気持ちになった。

誕生日に歯医者の予約など入れるものではない。

ハッピバースデーぽ~子~♪

西荻のドトールにて。